ずるい犬 ページ3
「ゴブリン、
あなたのこと気に入ったのかも」
そう言って犬を挟んで
私の隣を歩くイケメン男性。
美沙がお待たせ！
ってこちらに駆け寄ると
お犬くんが美沙の足にもすり寄っていく。
本当に女性の元ばっか行くのね。
美沙も来るな、とばかりに軽く逃げてる。
イケメン男性は
リードをなんとか引っ張って
お犬くんを引き剥がすと、
今度は美沙に謝っている。
「まだ飼い始めたばかりなんですけど
コイツ、めざとく美人ばっか狙って…
すみません」
美沙は私に怪訝そうな顔をしてから
耳打ちで「だれ、その人」って。
『知らない人』
そう答えたら、
「すいません。
不快な思いをさせてしまったので
やっぱお詫びにカフェとか」
そう言うから
『ほんとに結構です。
それに、わんちゃん居たらお店入れませんよ？
美沙、行こ。それじゃ』
「あ、じゃあせめて飲み物だけ！
そこのベンチで2分待っててください」
イケメン男性は駆け足で自販機へ。
飲み物3本を手に戻ってきた。
「赤、青どっち？」
赤(カフェオレ)と青(ブラック)を出され、
せっかくだからと
結果的にベンチに座ることに。
『…じゃあ、遠慮なく。美沙は青だよね』
赤２本と青１本を買ってくるあたり、
この男性は私たち2人とも
カフェオレだと思ったことだろう。
「改めてご迷惑をおかけしました。
あ、ほらゴブリン。
お前ちゃんと反省してる？」
そうお犬くんに話しかける男性に
絶対狙ってやってるんじゃないかって
内心で悪態をつく。
お犬くんことゴブリンは
男性に押さえつけられているものの
またもや私の膝に登ろうと必死だ。
ほんと、迷惑な犬だわ。
「ここ、広くていい公園ですね」
『…』
美沙「ええ」
私の様子を汲み取った美沙が
代わりに応えてくれた。
「ふたりはよく来るんですか？」
美沙「まぁ」
「…そっか。散歩の楽しみがひとつ増えたな」
美沙「はっ？」
だよね、そうなるよね。
「うぇぃ。お前に感謝しなきゃかもな。
ゴブリン」
愛犬が可愛くてしょうがないのか
犬に話しかける男性。
さすがに飽きたのだろう。
犬がどこか行きたそうにアピールし出した。
「わーかったよ。今行くよ。じゃあこれで」
美沙「じゃあ」
私はペコ、とお辞儀だけ。
「…また明日」
美沙「…はい」
なに、また明日って。
私は返事しなかったけど。
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こちいこ(プロフ) - みはるさん» みはる様、コメントありがとうございます！需要ないと思いながら書き始めたので嬉しいです。なるべく更新止めないように頑張ります！ (2021年8月7日 16時) (
レス) id: a9b3fdfb3a (このIDを非表示/違反報告)
みはる - 初めまして。このお話面白いです！続き楽しみにしてます！更新頑張ってください。 (2021年8月7日 14時) (レス) id: 5d16bd346f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こちいこ | 作成日時：2021年7月25日 20時
