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38羽 ページ38

ずっと無言で歩き続ける夕に
私はどうして良いかわからず
ただただ、手を引かれていた。


そういえば、
一緒に帰るのも手を繋ぐのも今日初めてかも。

意識すると、
途端に手だけじゃなくて顔が熱くなる。

心臓もドキドキ鳴ってる。


恥ずかしくて、
でも、ちょっと嬉しくて。


私、恋したことなかったけど、
多分夕のこと好きになっちゃったんだなぁ。



いつもの公園まで帰ってくると、
夕が立ち止まった。


『夕?』


振り向きもせずに
返ってきた言葉。


夕「Aは及川が好きか?」


『え?いや、親切にしてもらったから
感謝はしてるけど…
夕が言う、好きって恋愛的な意味だよね?』



夕「あぁ」



『それなら、そういう対象に見てない
っていうのが私の答えかな』



夕「じゃあ、俺は?」



『え、』



夕「俺もそういう対象になんねぇ?」



『…ズルいよ』

そう呟いた時、
側を軽トラがエンジンを吹かしながら
走っていった。



夕「え?今、何つった?」


夕が急に振り返るから、
赤面の私の顔が見られたわけで。


『わッ////!!み、見ないで!』

赤い顔を急いで隠すも、
片手では隠しきれない。


夕「…あー、抱きしめてい?」

え、返事をする前に抱き締められた。




『…夕はさ、潔子さんが好きなんでしょ?』



夕「潔子さんは女神だかんな。
好きに決まってんだろ」



…うわ、この乙女心、
夕には絶対理解してもらえないんだろうな。


『…そうだよね。
私、潔子さんと夕のことずっと応援してるの!
じゃっ、またね!』

私は夕の腕をくぐり抜けて走った。









…私の意気地なし。…天邪鬼。


家に帰って
すぐさまシャワーを浴びた。


さっきまで感じてた
夕の体温や逞しい腕を忘れたくて。





こんな時はバスケだ。

私はボールを持って公園に向かった。
一心不乱にクイックの練習やら
シュートの練習に打ち込んだ。


今、私のやるべきことは
恋愛じゃないのだから。



次の日突然、奥村さんがやってきた。

怪我をされてバスケ界から姿を消していた
伊月透選手を連れて。


伊月選手は私たちの練習をぼーっと見ているだけ。

アドバイスもくれなさそうな
やる気のないその姿に
メンバーからは批判の声もあったけど、
私はどんなメニューでも真摯に取り組む姿勢を
見せ続けるよう指導し続けた。


そして、
突然伊月選手は言った。

「3日後、栗ノ鼠高校との練習試合を組んだ。
そこで勝たなきゃお前らに未来はない」

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設定タグ:ハイキュー , HQ , 西谷夕   
作品ジャンル:恋愛
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こちいこ(プロフ) - 麗さん» 麗様、閲覧及びご指摘大変感謝いたします。及川さんのお名前変換ミスについてはごめんなさい。気づいたところは修正いたしました。また気が向いたら続きを読んでいただけたら光栄です。 (2020年9月26日 23時) (レス) id: a9b3fdfb3a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 所々名字が変換されてたりされてなかったりしてます。 及川さんの名前漢字が違います。 (2020年9月26日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こちいこ | 作成日時:2020年9月23日 22時

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