結婚相手募集され中2《サバイバルウェディング》

夢と現実 ページ14

〜

A…、
そう私の名前を呼んだ祐一さんが、
気付くと目の前にいて。

しばらく見つめあっていた私達だったけど
目を閉じた祐一さんの顔が近づいてきて
私は咄嗟に目を瞑った。


〜



ばっ！！！




あれ！？今の、夢？

周りを見ると、
ベッドにダイブした格好のままで
どうやら眠っていたらしい。

ついに夢に見るようになるとは…
重症かも。


…あまりにリアルだったせいか顔が熱い。









私はお昼頃からゆるゆると支度をすると
買い物やDVDをレンタルするために家を出た。

行ったことのない駅を降りて探索するのは
やっぱり新鮮でちょっとウキウキする。

昨日は色々ありすぎて
一度ごちゃごちゃの頭をスッキリさせたかったし、
誰にも干渉されずにひとりで歩くのは
ちょっと開放感があって良いものだ。





遅お昼だけどひとり焼肉を食べようと
注文をした品物を待っていると。

急に
"ゆういちは優しすぎるから
みんなに勘違いされるんだよ"

という声が聞こえて、
ピクリと反応してしまった。


チラと声がした方を見たら、
え、あの後ろ姿…実に見覚えのある感じ。

いや、まさか。まさかね。



ここからは向かいに座る
いかにも可愛らしい女性しか見えない。

…明らかにデートだよな、



え、待って…混乱してよくわからない。




あれ、昨日のやりとりは？
あんなに人のこと口説いておいて？





…いや、いや、でも、違うかもしれないし。


たまたま、後ろ姿が似ていて
ゆういちって名前なだけなんだ、


こっち向いているわけじゃないんだから
顔見たわけじゃないんだし。







一体、私は誰を説得してるのだろうか。









でも、無性にザワザワして
一気にテンションが下がった。






仮にあの人が祐一さんだとして
私には関係ない、
だって、まだ付き合ってないんだし、


私は邪念払うように
カルビを頬張って食べていた。









…すると、今日はどうやら
運が悪い日だったらしい。


ふらっと入った焼肉屋さんだったから
隣に座ったのは両方ともファミリー。

小さい子が焼肉！焼肉！と騒ぎながら
ドリンクバーから走ってきた。


飲み物持ってるんだから走ったら危ないのに、

そう思いながら見ていると、
目の前で滑ったのか、ガッチャーン！

盛大な音を立てて子どもが転んだと同時に
コップが割れて
中のジュースが周辺に飛び散った。



もちろん、
私のスカートの裾はビショビショだ。


ありえない…

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