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気づいたら口が先に動いていた。この気に食わない状況への鬱憤を晴らすように游那の口調が強くなっていく。
それに莉世が反論した。
「そんなことないよ！ すっごく良くなった！ みんなもそう思うよね？」
きっと全員がそう思っているであろう。莉世の誘導は上手だった。
游那に賛同するのは、彼女の取り巻きと彼女を恐れている地味なクラスメイトだけだ。それも本心ではない。
分が悪いと感じた游那は無言で教室を後にした。取り巻きの二人も彼女についていく。
「…ありがとう、真崎さん。一緒に話してもいい？」
「もちろん！ それと私のことは莉世でいいよ」
「それじゃあ、私のことも花澄て」
「オッケー」
花澄は内心驚いていた。まさか莉世に声をかけられるとは。
二人がお互い良く思ってなかったのは知っていたが、花澄と関わっていじめに巻き込まれたくない莉世は今まで何もしなかった。
いや、莉世だけでなく、全員がそうだ。游那はお金持ちだし、性格がきつい。誰も花澄に手を貸して辛い目に遭いたくない。
漫画で卯美が追い詰められるのもそのせいだ。
莉世は漫画で卯美に関わることがなかった。一体どういう風の吹き回しだろうか。
(でも、まずは自分で游那に言い返せるようにならなきゃな……)
前世の記憶が戻っても、今までいじめられていた記憶が消えたわけではない。
今だって游那を見ると手が震える。
彼女の言葉に、「髪を切るのが調子に乗ってるのなら、人類は全員調子に乗ってるんだね？ 面白いこと教えてくれてありがとう」くらい言えるようになれば良いのだが、まだまだ先は長そうだ。
教室内が花澄を巡ってざわついている間にチャイムが鳴った。
担任の笠井悦子が入ってくる。三十代半ばの彼女は結婚しており、家庭のことが忙しい。生徒一人一人の事情を把握しておらず、察していても時間外勤務を避けようと知らぬふりをしている。
漫画の記憶から、花澄は笠井が当てにならないことを知っていた。
「おはよう、みんな。あれ？ 白石さんの席にいるのは……？」
「白石花澄、本人です」
「そう、びっくりした。髪型似合ってるわよ。さて、今日の連絡事項は……再来週に中間テストがあるからそろそろ準備しておくようにね」
そう言って笠井は生徒達のテストに対する愚痴をBGMに朝のSHR(ショートホームルーム)を終えた。
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紅月まのか - もしかしてツンデレですかね.......？(え)更新日昨日か.......あと1週間待ってます！頑張ってください！ (2019年7月21日 7時) (
レス) id: b975388040 (このIDを非表示/違反報告)
花杜あみり（星沢想良）(プロフ) - Couteau_1937さん» 直しました！ ありがとうございます！ (2019年6月29日 9時) (レス) id: bb468dc0cb (このIDを非表示/違反報告)
Couteau_1937 - 細かくてごめんなさい!!「復讐」が「復習」になってます! (2019年6月23日 21時) (レス) id: deb1b5318f (このIDを非表示/違反報告)
ひよ - オリジナルの中で一番好きです！楽しすぎて久また読み返ししてました笑笑更新頑張って下さい！ (2019年6月23日 0時) (レス) id: 85d98be7fd (このIDを非表示/違反報告)
りゆ - とても面白くて、楽しみだったので、更新、戻って来てくれると嬉しいです！(>_<) (2019年6月2日 15時) (レス) id: ebc25fbea8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花杜あみり（星沢 想良） | 作者ホームページ：
作成日時：2018年12月25日 16時
