[終わりのセラフ]記憶を探す天才少女 (ページ8)

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第47話クローリーside ページ8

ク)ううッ………ああ………ツ。

床に倒れ伏したままで、動くのは顔ぐらいだった。

『血の海』とは行かないまでも、辺りには血が飛び散っていて、普通の人間なら目を背けたくなるような光景。

僕は吸血鬼だし、きっと『普通』の部類には入らないんだろうけど、それでもちょっと直視は躊躇われる。

まるで、台風のような女(ひと)だった。

僕達二人でも、まるで歯が立たなかった。

あんな人間が、帝鬼軍(むこう)にいたなんて。

ク)生きてる、フェリド君？

フ)何とかね………。

震えながら起き上がる彼の髪から、赤い雫が垂れる。

フ)あー、痛………。ずいぶん乱暴だなぁ。

ク)それにしては、的確に急所が“外されてる”けど？

フ)『楽しかった。また今度やりましょう。』

ク)は？

フ)ってことなんじゃない？面白い子だなぁ。

ク)あれ、興味湧いちゃった？

フ)まあね。でも、鉄扇を手にした途端あんなに強くなるとは思わなかったよ。

フェリド君にはもうミカ君がいるってのに………。

でも、僕はあの鬼の方が気になったかな。

戦闘中に出てきてたのは、多分その鬼。

でも、あの女の子の人格も出たりしてたし、普通に戻ってくることもできてた。

目も赤くなかったし…………。

吸血鬼って、鬼になっても治癒能力消えないんじゃなかったっけ？

何にしても、不思議な二人だ。

ク)で、なんで僕のこと呼び出してきたの？

フ)ああ、あの娘のこと。

ク)ふーん。何？

フ)あの娘、_____________かも知れない。

ク)え………！？

そんな…………。

それじゃ、フェリド君が興味を示すのも無理はない。

ますます、面白くなってきたかも。