[終わりのセラフ]記憶を探す天才少女 (ページ24)

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第62話 No side ページ24

貴))聞きたいのは唯一つ。＿＿＿＿＿＿＿＿新宿で起きた、百夜優一郎の暴走についてだ。

阿))ああ、それか。

玉))ほう。やはり知っておったかえ？

阿))僕だって、詳しいことは知らないよ？知ってるのは『天使』が関わってるって事と、あのラッパのことだけ。

玉))ラッパ？

阿))あれだよ。

阿修羅丸は、光の中にある金のラッパを指さした。

白い空間の中でまばゆい光を浴びながら、それは恐ろしいほど輝いていた。

貴))あれは何？

阿))だから分からないんだって。僕が来る前からあったし。それに彼が暴走したのはあの一回きりだ。そんなに沢山は分からないよ。

貴))・・・いいだろう。暴走した時のことを詳しく教えてくれるか？

阿))あの時は・・・大勢の天使が下りてきた。本当に大勢の、ね。彼らが飛んできた跡は、すごく明るく光ってたよ。

Aは、白い空間の方を見上げた。

Aの脳裏に、ちょうど渡り鳥の群れのように天使が羽ばたいてくる光景が浮かんだ。

阿))そう。今君がやってるみたいに、僕はそれに見入ってた。＿＿＿＿＿＿で、ラッパが鳴ったのさ。

玉))誰が、鳴らしたのじゃ？

阿))それが分からないんだよ。天使に見入ってて、見てなかった。

阿修羅丸は小さな肩をすくませて、申し訳なさそうに言った。

自分でも後悔しているのだろう。

貴))それで、優は異形と化した？

阿))うん、そうだ。

貴))そうみたいね。

玉))・・・やはり誰が鳴らしたのか、気になるの。

阿))天使の誰かだと思うよ？あ、もしかしてあの子自身だったりしてね。

貴))・・・可能性はあるのか？

阿))まあ、なきにしもあらず、ってとこかな。

阿修羅丸は、不敵に笑った。