第50話 三葉side ページ11
まず彼女が見せてきたのは、体に刻まれた傷痕だった。
両腕、右腕、左肩、左手首………。
爪の痕、牙の痕、明らかに骨の歪んだ手首。
なんて、傷ましい………！
貴)私は十歳の時に、吸血鬼の貴族に襲われたの。そして、その時のショックで、記憶を失くした。
十歳………！！しかも、貴族………。
傷痕の数々から、Aが吸血鬼に襲われているところが、ありありと浮かんでくる。
飛び掛かる吸血鬼。
必死で抵抗する少女。
笑いながら牙を突き立てる………。
ゆる、せない。
貴)それで柊暮人中将に拾われて、京極家の養子になった。
たったこれだけの説明でも、Aがどれだけ辛い思いをしてきたのかわかる。
名門の一族__________しかも、怪我に記憶まで無いとなれば、外との接触なんて許されない。
人と全く触れて来なかった人間が、軍なんてところに配属されたらどうなるか。
『お前には背中なんて預けられない』
そんな言葉を、投げられたりしたんだろうか。
だから、あんな………。
“申し訳ありませんが、真に信用出来る方でない限り、敬語を止めるわけには参りません。”
あれも、Aなりの処世術だったんだな。
シ)私たちを、信用してくれたってことなんですかね？話してくれたのも、その口調も。
貴)………見ていた。貴方達が、異形と化した百夜を助けたところ。
君)ああ………。
貴)あれを見て、貴方達の家族になってみてもいいかな、と思ったの。
…………家族。
家族…………か…………。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 29人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月光ノ宮(プロフ) - あるふぉーとさん» ダメだろ！もうちょっとなんとかならなかったのか…。 (2016年8月8日 6時) (
レス) id: 9bfd05ab93 (このIDを非表示/違反報告)
あるふぉーと(プロフ) - 土方と銀さん身長差１１�僂世茵� (2016年8月6日 11時) (レス) id: 26e6a10b4e (このIDを非表示/違反報告)
月光ノ宮(プロフ) - あるふぉーとさん» 見てきた！新八が業かよ、、、。 (2016年8月6日 8時) (レス) id: 9bfd05ab93 (このIDを非表示/違反報告)
あるふぉーと(プロフ) - 昨日の朝ニュースでやってたらしい。ネットに出てるよ。 (2016年8月5日 11時) (レス) id: 26e6a10b4e (このIDを非表示/違反報告)
月光ノ宮(プロフ) - あるふぉーとさん» まじかっ！！え、ジャンプ載ってなくね！？ (2016年8月5日 8時) (レス) id: 91c3776f29 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
