[終わりのセラフ]記憶を探す天才少女 (ページ2)

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第41話グレンside ページ2

暮)どういうつもりだ？分家のクズが。

グ)それはそっちこそ。彼奴は九条の人間だった……。あんたが知らねェはずはないだろう？

周りの人間を調べつくし、弱みを握って押さえつけるあんたは。

そんな言葉を、俺は飲み込む。

暮)Aは吸血鬼に連れ去られた。恐らくサングィネム……。何をされるかは想像出来るだろう。

グ)何の為の鬼呪装備だよ。

そう言うと、暮人は俺を冷ややかに睨んだ。

暮)お前にはあの傷が、鬼呪を取り上げられる前に目が覚めるような傷に見えたのか？

そんな訳はない。

あの傷なら、サングィネムについてから数時間後くらいに目覚めるだろう。

でも、あいつらは京極を殺したりはしなかった。

それに、「九条A」とフルネームで知っていたあの吸血鬼がいる。

きっと、百夜孤児院のやつだろう。あの孤児院を創ったのは、九条家なのだから。

暮)あの事態はお前のところの百夜優一郎が引き起こしたものだ。説明してもらおう。

グ)俺の切り札。それしか言えないね。知りたいなら調べてみればいいだろう。

暮)俺が調べていないとでも思ったのか？

まあ、そりゃそうだろうな。俺だって調べる。

暮)お前のところに急に黒鬼保持者が三人。調べるのは当然だ。

………が。来歴を含め、三人の記録は皆無に等しい。お前が消したとか考えられん。

グ)京極Aのデータも無かった。

それは、嘘じゃない。

「暮人がお気に入りを作った」________そんなことを聞いたら、俺じゃなくたって気になる。

だって、あのバケモノみてーに冷酷な暮人だぞ？調べないほうがおかしい。

でも、見つからなかった。

俺が優や与一、君月の記録を部屋にとってあるのも暮人がAに関する記録を隠したのも、同じ理由だろう。

アイツは、暮人の切り札。

暮)……もういい、帰れ。

ったく、中将は偉いんだな。