天使くんと。 (ページ10)

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９, おねむの時間。ページ10

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「んん～、…」

しばらくの間、ちゃぷちゃぷ♪と嬉しそうにしていたけいくんが突然俺をよじ登って首に手を回してきた。

「どうした？」

「………」

そう聞いても黙って首を振るだけ。

逆上せちゃったかな、なんて思いながらそのままけいくんを抱き上げて浴槽を出る。

用意しておいたバスタオルをけいくんに被せてあげて、そのまま軽く拭いていく。

背中の羽はすっかり消えていて、今度こそ普通の人間の子供みたい。

「こんなもんで大丈夫か」

と、一旦けいくんを降ろそうとしてけいくんの顔を覗くと

「おっと、寝てる…」

スヤスヤと眠るけいくん。

「眠かったのかよ…」

仕方なく自分は軽く拭いてからタオルを腰に巻いて、裸のままリビングへと向かう。

「寒っ、……」

ソファの上に寝かしてやってから気づく。

「服無いじゃん、」

独身男性の家に子供用の服なんてあるわけないことに、ここに来てやっと気づいた俺。

「うわー、どうすっかな…」

なんて考えてるとある事を思い出して、けいくんをバスタオルで包んだ後ブランケットを掛けて別の部屋へと走る。

「あった」

前に甥っ子が泊まりに来た時、夜だけと兄貴から渡された紙おむつが余ってた事を思い出した。

「起きたら怒るかもしんないけど、これしか無いんだよな…」

けいくんの怒ってる姿を想像しながら、俺のTシャツと一緒に持ってリビングへと向かう。

「一晩だけ我慢してよ」

全部着せた後またブランケットを掛けて、やっと自分の服を着る。

けいくんと自分の髪を軽く乾かして

明日の朝、怒られた時のためにさっきまでけいくんが履いていたパンツを洗って干しておく。

「よし、これでいいかな」

ソファでぐっすり眠るけいくんをそっと抱き上げて寝室へ行って、ベッドに入り込んで布団を掛ける。

「おやすみ」

部屋の電気を消して眠りについた。