12, おべんと。 ページ13
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洗面所で髪を軽くセットしてリビングに戻ると、ダイニングテーブルの椅子に登って何かに手を伸ばすけいくん。
「けいくん？」
「あ、ひかるぅ。あれなーに？」
けいくんが指さす先を見るとさっき詰めた俺のお弁当。
「アレはね、お弁当。俺のお昼ごはん……
って、あぁ！けいくんのお昼ごはんどうしよ！」
まさかついてくることになるとは思ってなかったから、お弁当は一つだけ。
「ぼくも！おべんと！」
「えっ、でも……」
ウチにはお弁当箱は一つしかないし、むしろ２つあるならさっきわざわざ洗わないでそれに詰めたし……
って、今はそんな事はどうでも良くて！
えーっと、何か代わりになるもの……
何か…………、あ！
ゴソゴソとキッチンの収納をあさると
「あったぁ…」
前に母ちゃんが来た時に、カボチャの煮物を入れて持って来たダッサい絵柄のタッパーを発見。
「7:45……ギリギリだな…」
とにかく猛スピードでけいくんのお弁当を詰めて
時計を見ると
「やっべ、もう出なきゃ！」
いつも家を出る8時を指していた。
自分のリュックと弁当を持って、けいくんに出来たてホヤホヤのお弁当を渡して慌てて玄関へ向かう。
「いい？電車に乗るからね？
絶対はぐれないようにするんだよ？」
「わかった！」
けいくんの元気のいい返事を聞いて急いで家を出た。
...
更新、長らくお待たせしました！
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作者名：おこめ。 | 作成日時：2017年12月11日 22時
