天使くんと。 (ページ2)

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１, 始まりは突然。ページ2

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定時前

自分の仕事をさっさと片付けた俺は、そろそろ帰り支度でもしようかと椅子に座ったまま小さく伸びをした。

そんな時、

「八乙女さん、すいません」

声をかけてきたのは同じ部署の後輩。

「ん？どした？」

「実は………」

そう言って彼はデスクの上に積み上げられた
書類の山を指差した。

うーん、俺もうあがりの時間なんだけど…

かと言って放っておくなんてこと俺には無理で。

「手伝うよ」

そう言って微笑むと

「ありがとうございます！助かります！」

と彼はぺこりと頭を下げた。

やめろって、そういうのオレ苦手なんだから。

「いいのいいの。
俺どれ手伝えばいい？」

こうしてまた俺の残業が決定して

今日もまた定時あがりは叶わなそうです。

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「ふぃーっ、おわった…」

21時前になって、やっと片付いた仕事。

周りの社員たちは知らない間にすっかり帰ってしまっていて、うちの部署に残ってるのはもう俺たち二人だけ。

「すみません、
こんな時間まで付き合わせてしまって」

「いやいや、大丈夫」

「八乙女さんのおかげで助かりました！」

そりゃ良かった。笑

「今度なんかご馳走します」

「いや、いいよそんなの笑
じゃあお疲れ様」

「お疲れ様です！」

後輩にひらひらと手を振りながら
カバンを手に部署を後にする。

「お、ひかる。お疲れ！」

「あぁ、高木さん。お疲れ様です」

上司の高木さんとたまたま廊下ですれ違って
軽く挨拶を交わす。

右手にコーヒー持ってた。

高木さんもまだ残業かな？

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やっとの事で家路について

今日の晩飯は何か買って帰るかな。

なんて考えながら、帰り道にあるコンビニに寄って特に迷いもせず無難なお弁当を一つ購入する。

いつも通り自宅のマンションに帰宅して

エレベーターに乗って部屋へと向かい

玄関のドアを開けて真っ直ぐの廊下を進み

リビングの明かりを点けると

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「ひかる、おかえりなさい」

そこには見たこともない
小さな子供が立っていた。