第一章 第一話 ページ3
両親の帰りを待ちながら微睡んでいた時だった。前世の記憶、とでもいうのだろうか。とにかく、私は前世で産まれてからの人生と死んだ時の事、転生した経緯などを思い出した。
混乱や違和感がないのは神様の計らいなのか、元々そういうものなのか。誰に聞けるわけでもない疑問を浮かべながら私は周囲を見渡す。
間違いなくここは今の私の家だ。そうわかる。周りにも特に変わったことはない。私は起き上がり、誕生日にもらった手鏡を覗いた。
当然、手鏡は少し驚いた顔をした私を写しだしている。茶色のサラサラもした長い髪。目を引く深い緑の瞳は、自分でいうのも難だが神秘的だった。
前の世界とは大分違った容姿だ。
前世では甘党で食欲旺盛だったため少し体型が気になっていたのだが、今は身長は低めなものの、全体的にホッソリとしている。
甘党は今も健在なんだが。もしかしたらこれは前世の影響だったのかもしれない。
今の私は結局誰なのだろう。記憶を取り戻すまでの私は、誰だったんだろう？ 私ではあるけど、私ではなかったってこと？
……少し混乱してきた。裏紙を取り出して、ペンにインクをつける。思い出したことを紙綴っていく。
まず、前世の私は「古賀美咲」という名前の日本という国に住む平凡な中学生だった。
そして今は「ミナ」という名前の12才になりたての平民の少女だ。住んでいる国はナリフアといい、ファナと呼ばれる王が治める街くらいの小さな国だ。
この国の平民には苗字が無い。大抵、職業や住んでいる地で苗字のようなものはあるけれど、それも平民同士の便宜上の呼称でかない。
インフラは水道に近いものはあるが、車や電車などは無く、馬車での移動が主流。
日本ほど発達はしていないけど、暮らしやすい平和な国だと思う。
再び身体を倒し目を瞑る。だめだ、眠い。
詳しいことは起きた後で考えよう。遅くはないはずだ。
そんなことを考えつつ私は眠りの闇に吸い込まれていった。
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ふりかけカスタード - きゅうりが死因ｗ更新楽しみにしてます！ (2017年8月21日 13時) (
レス) id: f6c6c4268e (このIDを非表示/違反報告)
ルピナス@桜飴(プロフ) - 従順なこいぬさん» 返信・更新が遅くなり申し訳ありません。コメントありがとうございます、本当に嬉しいです！ (2017年6月26日 21時) (レス) id: f79117ebd7 (このIDを非表示/違反報告)
従順なこいぬ - 面白すぎて、夜なのに思い切り吹き出してしまいましたw (2017年4月3日 22時) (レス) id: 05eb78a7ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バンビ娘 | 作成日時：2016年5月30日 12時
