プロローグ ページ1
パトカーと救急車の音が微かに聴こえる。頭が尋常じゃないほど痛くて、これはもう死ぬなぁ、と他人事のように思った。
死ぬのは嫌だけど正直、化けて出るほどの未練はそんなにない。
こんな死に方さえしなければ、だけど。
朝、学校にいつもどおり向かっていたらいきなり周りで悲鳴が聞こえた。
びっくりして上を見ると、ものすごい速さで何かが落ちてきていたのだ。
それがキュウリだと気づいた時には、キュウリはもう目の前に迫っていて、避けるまもなく私は、落下してきたキュウリと衝突した。
そして、私はコンクリートに倒れこんだのだ。
そんな回想をしている間にも、痛みが薄れてきた。死ぬ前は苦しくないって本当だったんだな。
やっぱり、まだ死にたくない。しかも死因キュウリとかすごい嫌だ。新聞になんて載るんだろう
「怪奇現象！ 空からキュウリで女子中学生死亡」
とかかな。そして、怪奇現象系のTVの特番とかで取り上げられるんだ。嫌だなぁ。
……そんなこと考えてる場合じゃない。
ごめんねママ、パパ。結局親孝行できてないね。私の保険適用されたらお葬式なんていいから自分達の為に使ってね。
でも、お願いだから、パパはバイクを買わないでね。そのせいで、ママと5回は喧嘩したでしょ。
未来、喧嘩ばっかりだったけど自慢の妹だったよ。きっと良い彼氏ができるよ。未来は世界一かわいいんだから。ただし、バンドマンはやめなさい。
その他のみんなごめんね、そしてありがとう。
あとキュウリ。もう一生は終わるけどお前は一生許さない。
目を開けてもなにも滲んで写らないし、音もボンヤリとしか聞こえなくなってきた。
「何があったんですか？ え？ キュウリ！？
……えーっと、だ、大丈夫ですか！？」
そんな救急隊員の人の声がボンヤリと聞こえるけど、もう手遅れらしい。
視界が暗闇に包まれた、その間際、誰かの声が聞こえた。
「いや、誰にだって失敗はあるのだよ。たとえ私が神様と呼ばれる存在であろうともね。
……分かってるさ、たしかに悪いことをした。
こんなことなら朝食にキュウリなんて食べるんじゃなかったよ。
……うん、そうしようと思ってる。
転生とキュウリ一生分で頼んでみるよ。手続きはそっちで頼んだぞ」
その声について考える間もなく、私の意識は溶けるように消えていった。
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ふりかけカスタード - きゅうりが死因ｗ更新楽しみにしてます！ (2017年8月21日 13時) (
レス) id: f6c6c4268e (このIDを非表示/違反報告)
ルピナス@桜飴(プロフ) - 従順なこいぬさん» 返信・更新が遅くなり申し訳ありません。コメントありがとうございます、本当に嬉しいです！ (2017年6月26日 21時) (レス) id: f79117ebd7 (このIDを非表示/違反報告)
従順なこいぬ - 面白すぎて、夜なのに思い切り吹き出してしまいましたw (2017年4月3日 22時) (レス) id: 05eb78a7ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バンビ娘 | 作成日時：2016年5月30日 12時
