23セーブ ページ30
目を開けると、碧が目の前にいた。戦闘直後に戻ってきていた。
碧「…はは、クソ野郎も実験体かよ」
『実験体…』
主人公は確か実験が成功した個体で、１番偉い人のお気に入りってやつだったはず…碧は確か…未完成の実験体。
碧「俺ら全員実験体なんだよ。数年に一回クソ野郎が俺らのことを殺しにくんだけどさwバカだよなぁw政府は勝手に俺らの事を実験体にして開発したくせにウイルス扱いされてんだぜ？俺らw」
自傷気味にそうわらう。目にはかすかな光がともっているが、その光も消えそうだった。今まで見てきた奴より目は異常に死んでいた。
碧「…ってかさ。クソ野郎も俺と同じ目してんだよな。誰かを失う側の気持ちわかっててやってんだろ。趣味悪w俺、別に友達とかどうでも良いけど…」
一歩歩いてから、一気に距離を縮めてくる。
碧「クソ野郎とガキは嫌いなんだよなぁ…」
『っ！』
碧がナイフを素早いスピードで振るう。あまりの速さに攻撃が避けきれず太もも辺りをかすめてしまう。
『まずっ！』
まずい!と声を出しそうになるが、攻撃が連続で来すぎて声も出す余裕がない。右から左からナイフを振るってくる。ナイフを避けて自分も攻撃をしようとした瞬間。
『？！』
足をかけられ、そのまま転倒してしまう。
碧「…楽しかったかよ。美空も愛も侑菜も殺しやがって！きっと…鈴も手遅れだ」
『っ、何が、何が手遅れだよ!目の前にいるなら僕を気絶でもさせてとっとと逃げれば良いだろ？!』
碧「は？…お前なぁ!」
『大体！僕だって大事な人を失っているさ!苦しかったし、悲しかった!でも今、あいつが僕を導いてくれているんだ!導かれたところに行くしかないだろ!それに、僕があっちに戻ったところでもう誰も彼も助けてなんてくれない！ここじゃないと…あいつに会えないんだ…』
碧「お前が苦しかったのはわかった。けどなぁ、俺は、お前がやったことに賛同できない。きっと、これからも俺や他の奴らを殺すきだろ」
碧「だから…俺は、お前が諦めてくれるときまで繰り返してやるよ」
碧がナイフを突き刺す。
目を開けると、僕の死体が目の前にあった。
『死体に触れてまた戻っても死ぬだけだしなぁ』
死体に触れるか迷っていると碧が鈴のところまで行き、おんぶをして何処かに運んでいるのがわかった。
『こんなバットエンドで終わらせてやるわけにはいかないよな…』
死体に触れて戻る。
『ぁ？！』
ドクンと急に衝撃が走る。
“俺に変われ”
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作者名：みむ | 作成日時：2022年2月13日 21時
