ゲームの転生者の歩む道[オリジナル] (ページ14)

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春視点
俺には、紗輝のような。皆のような強さがなかった。

a「ねぇねぇ。春くんって能力使えるんでしょ？見てみたいなぁ」

『え？あ、えーっと…それ誰情報？俺が能力使えてたらめっちゃ自慢しまくってるってw』

a「あー。確かにw」
俺は、良く学校で能力について聞かれた。俺は、その度に皆を騙した。俺の能力で。

ある日。俺は、家に帰ると見慣れないスーツを着ている人達と悲しそうな表情をしたお母さんがいた。
スーツを着ている人達は、俺を見ると、すぐに俺を取り囲んだ。逃げる間もなく俺は、取り押さえられて気がつくと、見慣れない学校の保健室で寝ていた。

俺が目を覚ましたのに気づいて最初に声をかけてくれたのが紗輝だった。紗輝は、この学校について少し分かりにくかったが説明してくれた。

そこから俺と紗輝は親友になった。どこに行くにも一緒と言うわけでは無かったが、大体は一緒にいた。どんな悩みでもお互いだけには打ち明けられた。勿論。恋の悩みも打ち明けた。

紗輝「いつか、ここを出たとしても俺らずっと親友だよな！」
春「当たり前だろw」
そんなやり取りを毎日していた。こんなくだらない日々が続けば良い。それだけを願った。なのに、運命は残酷だった。

紗輝「……」
今日はいつもの紗輝とは正反対でどこからどう見ても可笑しかった。

春「紗輝？どうした？失恋でもした？」
そう聞くと、首を横に振られた。

紗輝「…実は、俺たまたま廊下歩いてたらあいつらの会議の内容が聞こえてきてさ。今日、美空が倒れてた奴を連れてきてただろ？そいつが、俺らを殺すかもって話てて」
正直耳を疑った。普通なら信じないかもしれない。只、俺らが学校に来る前に数回今回のように連れてきた奴が暴れて能力者を殺すなんて事があったと聞いたことがあったから信じずにはいられなかった。

紗輝「俺、そいつを止めたい。否、止める」
春「は？何言ってんだよ。そんなの危なすぎんだろ」
紗輝「俺は行く。春と俺ならきっと…」
春「馬鹿言うなよ!大体、前の奴らだって今の学校の1番強い奴らよりも強かったらしいし！他の奴らに任せよう！」
そう言って、強く紗輝の手を掴む。
紗輝「他の奴らに任せようって！俺は、誰にも死んでほしくないんだよ！」
そう言って、手を振りほどかれる。何度紗輝を呼んでも、振り向いてくれず、紗輝の後ろ姿だけが遠のいていった。

春「紗輝…今からそっち行くから」
今度は、一人にしないから。