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26セーブ ページ33

碧「なんなんだよ…」
碧が不機嫌そうに頭をかきむしる。俺に気付くとナイフを向け、睨みつけてくる。
そんな戦闘態勢入ったままだと能力使いずらいっての。まずあいつを倒しやすいように誘導するか。

『お前さ。弱いんだから、逃げろよ』

碧「は?」

『雑魚って意味。分からなかったか?』

碧「お前!」
碧がナイフを振ってくる。が、がむしゃらに振ったため、全てかわせた。そのまま足を引っかけて倒す。念のため、利き手…右手にナイフを刺しておく。

碧「ぅぐっ!」
指を切り、額に人差し指を当てる。

『手が使い物にならなくなっていいなら抵抗しろよ』

碧「はぁ…はぁ…ぐぅ、」
大人しくなったのを見て息を整える。

『せきくは…』
そう唱えている途中に、黒い物体が視界の隅に見え、反射的に避ける。
よく見ると、それはレールガンの破片だった。それにしても、結構な勢いで飛んできたな。そう思い、飛んできた方向を向くと、木の後ろに影があるのがみえた。

『お望み通り…』
一歩一歩と木に歩み寄っていく。

『お前からやってやるよ』
木の影には鈴がしゃがんで身を潜めていた。

鈴「っ…!」
ナイフを構え、振り上げる。

鈴「い…いやだぁぁ!しにたぁくなあぁい!」
ナイフを振り下ろす。

『…』
地面に滴っていく血。もう慣れた…はずだったがこれだけは動揺が隠せなかった。

『お前…その手…はは、マジかよ』
脇腹から滴っていく血。痛いがそんなことどうでも良い。鈴にナイフを振るう直前、碧は俺が手に刺したであろうナイフを抜き、そして、そのナイフを俺の脇腹に刺してきた。もう右手は使い物になるような形じゃない。

碧「草木皆兵っ」
碧がそう言うと、暗闇に包まれる。足音がどんどん遠のいていく。

『ははw逃がせねぇじゃん』
脇腹から滴っている血を手で舐める。そして、先程、能力を使おうとして失敗した人差し指を眺める。離れたせいか能力が解ける。

『こっち側か…』
落ち葉に着いた血を辿っていく。すると、見覚えのある斧が飛んでくる。避けると、グサッという地面に刺さったであろう音が響く。飛んできた方向を見上げると、そこには千尋が立っていた。

千尋「ここから先は案内してないよ」

『碧に案内して貰った』
そう言い、手のひらについた血を千尋に見せる。

千尋「うーわぁ…脇腹ざっくりやられてんじゃん…これじゃあ、遅かれ速かれ死ぬねぇ」

『次死んでもここに戻るけどな』

千尋「時間稼ぎだけさせて貰うよ」

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作者名:みむ | 作成日時:2022年2月13日 21時

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