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中也「…うっし、出来たぞ」
時間はどんどん経ち、気づいたら廊下のざわめきは聞こえなくなっていた。
そんな中、やりきった感丸出しでスケッチブックをこちらへと見せる彼は額に浮かぶ汗を手の甲で拭った。
ずいっと見せられたスケッチブックを除くも…暗い部屋のせいかうっすらとしか見えない。
たけど、そこに映るのは確かに私だと分かった。
ふふんと得意げにニヤリと口角を吊り上げ「うまいだろ?」と自画自賛する彼に反論したいけど……悔しい事に何も言えない。
だって、それくらい私にそっくりなんだもん。
「鏡を見てるみたいです…」
首にある見えない角度で付けたれた傷跡や、切られた髪の毛の長さまで鮮明に書き写されている。
もっと褒めてやろうと口を開けようとしたが、彼の方が早く口を開いたせいで次の言葉は飲み込まれてしまった。
中也「……やっと、描けた」
愛しいものを撫でるように優しく優しくスケッチブックをなぞると、中原さんは私の目を真正面から見つめた。
なぜだろう。
逸らそうと思えば簡単なのに、なぜか逸らしたくない。
中也「よかったら、次からも来てくれよ。俺だいたいここにいるから」
ふにゃっと微笑むと彼はまたスケッチブックをなぞった。
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天さん - 我輩は猫であるさん» 返信遅れました!こちらこそありがとうございますっ!リアル捨てないでくださいね!?更新頑張ります´ω`* (2017年7月31日 1時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
天さん - 和さん» 返信遅れました!お久しぶりです!もちろん覚えてますよ!こちらこそありがとうございます!頑張りますので応援よろしくお願いします!! (2017年7月31日 1時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
天さん - きよみさん» 返信遅れました!ありがとうございます…!本当にスランプは悲しいです…。沢山の方に迷惑をかけてしまいました…。すみません。頑張りますので、応援よろしくお願いします! (2017年7月31日 1時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
我輩は猫である - これを読むと本気でリアルを捨てたくなります天さんありがとう (2017年5月25日 18時) (レス) id: 37cf0ebbfb (このIDを非表示/違反報告)
我輩は猫である - おおおおお!!!!新作ですか!!中也さんですか!!!ありがとうございますごちそうさまですうわあああああ←これを世間はヤバい猫と言う。 (2017年5月23日 17時) (レス) id: 37cf0ebbfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天さん | 作者ホームページ:http:/http://commu.nosv.org/p/tensan819
作成日時:2017年5月21日 3時