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中也「なァ、笑わねぇの?」
何分経ったか分かんない。
手を動かしたまま中原くんはそう話題を振ってきた。
その内容は私の心を大きく抉る刀のよう。
何で笑わないかって……そんなの、あんな毎日を送っていれば誰だって笑わなくなるだろう。
それで笑っていられる精神があったら、私はきっと今を嘆いていない。
「笑わない事がおかしいですか?」
中也「別に。俺だって笑いたくねェ時はわらってねぇよ。ただ、手前はいつだって…………いや、何でもない」
"いつだって"……?
そんな私を他所に、彼は別の話題を振ってきた。
眉間に皺を寄せ話を勝手に中断してしまった彼は、きっと不器用な人間なんだろうなぁと呑気に考えた。
橙色の髪の毛はどこからか吹き込んだ風にふわりと揺れ、微かに香るシャンプーの匂いはどこか懐かしい。
時々、私と目が合う。
それは絵を描いてるから当然の事だけど、ばちりと合った目を逸らせない自分が酷く憎かった。
「中原くんは…いつも女子生徒に追いかけ回されて何がしたいんですか?」
気づいた頃にはほろっと言葉が漏れていた。
まさか嫉妬じゃないよね?
中也「好きで追いかけ回されてる訳じゃねぇっての。
初めは屋上で描いてたんだよ。外の風は気持ちいいし、あそこは誰も来なかったから」
懐かしむように頬を緩め、また私と目が合う。
それだけでドキドキする私。
最近男子と触れ合う機会なんてなかったし、
呼び出されても待ってるのは冷たい水だったもんなぁ。
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天さん - 我輩は猫であるさん» 返信遅れました!こちらこそありがとうございますっ!リアル捨てないでくださいね!?更新頑張ります´ω`* (2017年7月31日 1時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
天さん - 和さん» 返信遅れました!お久しぶりです!もちろん覚えてますよ!こちらこそありがとうございます!頑張りますので応援よろしくお願いします!! (2017年7月31日 1時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
天さん - きよみさん» 返信遅れました!ありがとうございます…!本当にスランプは悲しいです…。沢山の方に迷惑をかけてしまいました…。すみません。頑張りますので、応援よろしくお願いします! (2017年7月31日 1時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
我輩は猫である - これを読むと本気でリアルを捨てたくなります天さんありがとう (2017年5月25日 18時) (レス) id: 37cf0ebbfb (このIDを非表示/違反報告)
我輩は猫である - おおおおお!!!!新作ですか!!中也さんですか!!!ありがとうございますごちそうさまですうわあああああ←これを世間はヤバい猫と言う。 (2017年5月23日 17時) (レス) id: 37cf0ebbfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天さん | 作者ホームページ:http:/http://commu.nosv.org/p/tensan819
作成日時:2017年5月21日 3時