ネコと朝ごはん ページ5
そんな大変な日から一夜明けた次の日。
昨日はあれよあれよと風呂に入らされて服を着せられて・・・そして昨日はベッドで寝てしまった。
本当は玄関で寝ようとしてたんだけど、首根っこ引っ張ってきてああだこうだとやってるうちに気づけばベッドで朝を迎えていた。
彼はというと腰あたりを気にしてるところから察するに、おそらくソファか床に寝たんだと思う。
これはペットとしてどうなのか・・・
そして更なる問題は
「僕、朝ごはんなんて作った事ないんだけど」
では貴方は今日まで何を食して生きてこられたんですか。
思わず突っ込んでしまうほど、何ていうか抜けてる?
それでも寝癖を直さずに必死になって考えている彼を見てしまえば、そんな所もいいなぁ・・・・・とかペット如きが何を思ってるんだか。
『何時もはどうしてたんですか?』
「駄菓子」
駄菓子・・・?
そういえばダンボールハウスの近くを通った男の子がそんな事を話していたような・・・。
安くて美味しいって。それでもとてもじゃないけど私には手が出せなかったから食べた事はない。
「あ」
昔の記憶を思い返していると、突然何を閃いたのか彼はリビングを出て何処かに行ってしまった。
取り残された私はどうすれば・・・。と考えている間に彼は戻ってきた。
その手には何らかの袋が。
「煮干し食べる?」
『煮干し?』
そして袋から出された小さな魚を掌に乗せられた。
煮干しとやらを口に入れてみると、あら不思議。どんどん味が口の中に広がっていく。
新食感だ。
「美味しい?」
『うん』
そう、と言いながら彼は私をじーっと見る。
私の顔に何か付いてるのかな?
『あの、』
「君さ」
発した言葉は彼によって遮られる。
「自覚ある?」
『え、何がですか?』
食べ方汚いとか?そんなんだったら自覚ありありですよ。でもこんな小さな魚をどうやって綺麗に食べればいいかなんて、貧乏人には分からないよ。
「うーん。ないならいいや」
それだけ言って彼は私の頭を上から下へとなぞるように撫でた。
それを左右し終えたら下にさがった手を頬に添えられる。
「じゃあ行こっか」
バクバクと鳴る心臓を無視して私は小さく頷いた。
って、何処に・・・?
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黒猫もふお - めちゃくちゃ面白かったです!最終話は感動してちょっと涙が出ました!神作品をありがとうございます! (8月21日 16時) (レス) @page34 id: 9c4f5ea239 (このIDを非表示/違反報告)
天さん(プロフ) - べにぢゃけさん» 可愛く描いてもらいました(´ω`)アドバイスは御本人にお願いします(`・ω・´)きっとうさぎちゃんなら喜んでくれますよ! (2018年1月4日 0時) (レス) id: b9103288e7 (このIDを非表示/違反報告)
べにぢゃけ(プロフ) - 最初のイラスト上手ですね!手を除けばですけど!あのポーズだと親指は後にあるはずなんですよねww (2018年1月4日 0時) (レス) id: d20295d5ac (このIDを非表示/違反報告)
天さん(プロフ) - 生流れ(せるれ)さん» 最後までありがとうございました!!完結できて良かったですε-(´∀`*)ホッこれからも頑張りますので、よろしくお願いします!(*`・ω・´) (2017年12月27日 10時) (レス) id: b9103288e7 (このIDを非表示/違反報告)
生流れ(せるれ) - 完結おめでとうございます<(_ _)>凄くハラハラドキドキでした!そして、乱歩さんと夢主ちゃん可愛い!!これからも頑張って下さい!! (2017年12月27日 6時) (レス) id: 37c30113ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天さん | 作者ホームページ:http:/http://commu.nosv.org/p/tensan819
作成日時:2017年11月19日 3時