ネコと探偵 ページ4
ガタガタと窓が揺れる。
外はさっきよりも強い風が吹いてるみたいだ。
もし拾われなかったら私はどうしてただろう。
そんな気持ちを振り払うように、空のカップを指でなぞった。
すっかり飲み干したここあは想像以上に美味しくて、一瞬これで私の人生終わりなんじゃないかってほど幸せな気持ちになれた。
それも全部彼のおかげだ。
｢ねえ君さー｣
唐突にソファから立ち上がったかと思えば、床に落ちる本を迷いなく一冊拾い上げる。
｢僕の助手になってよ｣
片手に持たれた本には｢ホームズ｣の文字。
私は一瞬理解が追いつかずに言葉を詰まらせた。
助手？ペットの間違いじゃなくて？
ああ、金持ちの事だから言葉遊びかも。
『助手は嫌です』
｢え｣
よほどショックだったのか一時停止した。
そんなにもペットが欲しいのかな。
でも生憎私はここにはずっと居られない。
両親を探さなきゃいけない。
｢僕の助手だよ？この名探偵の！｣
『･･･えっと、私にはやりたい事があって、ペットは無理です･･･』
深く深く頭を下げた。
それはもう体がペチャンコになるくらい。
するとどうだろう。暫くの沈黙のあと、何を思ったのかポンっと音を鳴らして彼は手を叩いた。
｢ペット･･･。成程。じゃあ君は今から僕のペットだ。ご主人様の命には逆らえないでしょ？｣
･････なんて頭の回転がいい人なんだ。
この場合褒めてないけど。
『ですから、私にはやりたい事が･･･ｯ』
｢だから僕と一緒に探せばいいじゃないか｣
_____何が彼の気を引いたんだろう。
ご馳走になった恩は一生忘れないだろう。
でも、彼に世話になる訳にはいかないんだ。
人間はずる賢い生き物。
自分のためなら他人がどうなろうと知ったこっちゃないものなんだ。
だから私は捨てられた。
彼だってきっとｯ_____
｢僕は君を捨てたりしないよ｣
『･･･ｯ！』
それはまるで心を読んだように。
彼の言葉はここあみたいに私の中に広がっていく。
｢飼い主になった以上、君の所有権は僕であり、僕が死ぬまで君は僕から離れる事は許さない｣
真っ直ぐと見つめられた瞳は綺麗な翠で、自然と伸びる手は嘘をつかない。
何の信憑性もない言葉を並べられてここまで安心できたのは、これが初めてだった。
そんな変わりように、早くも私は一つ驚いたのだった。
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黒猫もふお - めちゃくちゃ面白かったです！最終話は感動してちょっと涙が出ました！神作品をありがとうございます！ (8月21日 16時) (
レス) @page34 id: 9c4f5ea239 (このIDを非表示/違反報告)
天さん(プロフ) - べにぢゃけさん» 可愛く描いてもらいました(´ω｀)アドバイスは御本人にお願いします(｀・ω・´)きっとうさぎちゃんなら喜んでくれますよ！ (2018年1月4日 0時) (レス) id: b9103288e7 (このIDを非表示/違反報告)
べにぢゃけ(プロフ) - 最初のイラスト上手ですね！手を除けばですけど！あのポーズだと親指は後にあるはずなんですよねww (2018年1月4日 0時) (レス) id: d20295d5ac (このIDを非表示/違反報告)
天さん(プロフ) - 生流れ（せるれ）さん» 最後までありがとうございました！！完結できて良かったですε-(´∀｀*)ホッこれからも頑張りますので、よろしくお願いします！(*`･ω･´) (2017年12月27日 10時) (レス) id: b9103288e7 (このIDを非表示/違反報告)
生流れ（せるれ） - 完結おめでとうございます<(_ _)>凄くハラハラドキドキでした！そして、乱歩さんと夢主ちゃん可愛い！！これからも頑張って下さい！！ (2017年12月27日 6時) (レス) id: 37c30113ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天さん | 作者ホームページ：http:/http://commu.nosv.org/p/tensan819
作成日時：2017年11月19日 3時
