鎖骨好きによる鎖骨好きのための鎖骨好きの物語【中原中也】

合コンと鎖骨 ページ13

______なｧ、この後空いてるか？







と言われて連れてこられたのは結構高そうな居酒屋。





おっと･･･？
先輩ってばこれはデート！？






なんて･･･







『中原さんの後輩です。Aっていいます。よろしくお願いします』






私の前に座るのは4人の男性。
そして、私の隣に座っているのは3人の女性。




つまりです。
これは合コンとやらで･･･先輩は人数合わせに私を呼んだんだとか･･･






まあ、別に先輩と多く一緒にいられるのなら･･･と最初こそは笑顔だったけど。





｢えぇ〜？中也ってぇ、プールの監視員なんかやってるのぉ？｣





ここの女性達揃いも揃って色気パないのです！！




わ、私だって負けないけど！？
私だって本気出せば男はイチコロよ？
本気出さないだけだし？
本気出したら他の女性が困ると思って･････････







『虚しｯ』







もうなんかそれぞれペア見つけちゃったみたいで･･･




余ってる人と言えば水をちびちび飲んでる端っこの人。





私が座ってるのは机の端、彼とは真逆の位置に居るわけだけど、席順は特に決まってないみたいだから彼の正面に移動した。





『こ、こんばんわ』


｢ここここんばんわ！｣





うん。いい人だなこれは。





人を見る目はいいと思う。





あ、ちげぇや







｢あ、あの僕の首に何か･･･？｣


『鎖骨きれぇ･･･』





鎖骨を見る目なら誰にも負けない。






｢さ、こつ･･･？｣





目の前の彼は意味が分からないと言うように目をぱちくり






『あ、私Aっていいます』


｢僕は中島敦です。Aさんは確か中原先輩の後輩でしたよね･･･？｣


『そうですそうです！中島さんはなんのお仕事を？』


｢あ〜。探偵やってるんですよ。最近は太宰さんの面倒見るので手一杯ですが｣




あはは、とこぼす中島さんは相当な苦労人のよう。



というか、今なんか知ってる名前が出たような





ま、いっか。気のせい気のせい〜






『中島さんは、』


｢敦でいいですよ｣


『あ、敦はなんで合コンに？』


｢･･･太宰さんが来れないって言うんで変わりに｣


『いい人すぎですよ。あんな変態川にでも流しときなさい』


｢えｯ｣






冗談ですよ、とニコリと笑う。
もちろん冗談なんかじゃない。



できるなら二度と顔を見たくないレベルだ。

終わり ログインすれば
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