1話 ページ2
「ねえA!文化祭どこ回るか決めた?」
ベンチに座る私に話しかけてきたのは友達のミサ。
学年一の美女であり、密かにアイドルをやっている自慢の友達だ。
が、今はそんなミサと楽しく話せる気分じゃない。
『ごめん、パス。さっき先輩から逃げてきたところなの』
ミサはその言葉で全てを察したのか、眉間にシワを寄せて私の隣に座った。
中庭から見える晴天を仰いで、そしてポツリと一言。
「あんのストーカー、まだA追ってんの?」
ミサはあの男の話しになると決まって裏の顔を見せる。
それは私の過去を知っているから。
疼く左腕を摩って小さく頷いた。
思い出したくもない、過去の記憶。
「だからさぁ、さっさと彼氏作りなよ。このままだと、本気でA壊れるよ?」
『だって、怖い・・・。もうあんな事は嫌だよ』
風に揺れた髪をそのままに、私はもう出なくなってしまった涙を恨めしく思った。
泣いたら、きっと楽になれるのに。
そんな私をミサの小さな手が撫でた。
「よしっ!文化祭回ろ?」
私の手を握って立たせる。
その手の温もりだけが私の救いだった。
今も痛む左腕を無視するように、
『よっしゃ!食べ物制覇してやる!』
きっと、いい事があるはず。
ミサの手を握り返して晴天の下、私達は肩を並べて校舎へと向かった。
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天さん(プロフ) - 夏目さん» おお!ありがとうございます!w更新おっそいですがよろしくお願いします!!乱歩さんをもっとイケメンに書きたいですね(白目) (2017年12月27日 13時) (レス) id: b9103288e7 (このIDを非表示/違反報告)
夏目 - ふぁぁぁ!乱歩さぁぁぁん!もう僕乱歩さんが大好き過ぎて乱歩さんの名前が出ただけでもグハッってなるぐらいでこの小説見ただけでグハッってなりましたwこれからも更新頑張ってください!続き、楽しみにしてます! (2017年12月27日 13時) (レス) id: 0696f10d44 (このIDを非表示/違反報告)
天さん(プロフ) - 生流れ(せるれ)さん» ありがとうございます。行数大変ですよね(;´・ω・)私も書く時は毎回悩まされていますw (2017年12月27日 10時) (レス) id: b9103288e7 (このIDを非表示/違反報告)
生流れ(せるれ) - 天さんさん» お疲れ様です。私も、行数と掛け持ちに悩まされている者です(泣) (2017年12月27日 6時) (レス) id: 37c30113ce (このIDを非表示/違反報告)
天さん(プロフ) - 生流れ(せるれ)さん» 掛け持ち多いのに作ってしまいました(´・ω・`;)更新頑張ります(*´v`) (2017年12月26日 17時) (レス) id: e35c262d1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天さん | 作者ホームページ:http:/http://commu.nosv.org/p/tensan819
作成日時:2017年12月25日 21時