【短編集】可愛い息子達がビデオを送ってくれるそうです【文スト】

誘拐されました ページ27

｢コイツら返して欲しければな、1億用意しろ！警察呼んでみろよ！コイツらがどうなっても知らねぇからな！？｣




ガチャｯと激しい音の後、電話は機械音だけ残して切れた。



あ、どうも。
朝っぱらからどうやら家の息子達が誘拐されたようです。



犯人のありがちな電話を朝から耳元でゴチャゴチャ聞かされたのは拷問でしょうか。
それより家の可愛い息子達の癒しの声を聞かせて欲しいものだ。



警察？呼ぶわけない。


呼ばなくとも私が直接殺しに行ってやろう。
よしそうしよう←


荷物は携帯と財布ね。
1回ハワイから離れるのかぁ。

まあ特に時間設定は無かったから時間はあるよね。



『さて、行きますか』







___何時間後。




飛行機の中で爆睡して、ようやくついた我が家。


玄関は明らかに何か入りましたと言っているように開けっ放し。



家の中は物が散らばって汚いし、あぁ･････掃除めんどい←




と、そこで掛かってくる電話。


実は飛行機内でも掛かってきたのだが、なんてったって爆睡してたからね。



『あーもしもし？』




｢おいお前！コイツらどうなってもいいのかよ！？金は用意できたのか！？｣



うるさい･･･。鼓膜破れちゃうでしょーが。




『金？用意するわけねぇだろ。生憎と息子を
助けるための金はうちにはない！貧乏人なめんなよ！』




貧乏人が払えるお金はないんだよ！
ハワイだって頑張ってお金貯めたんだからな！(涙)




｢じゃあ殺すまでだな｣




『うんまあそれはご自由にだけどさ。多分、後悔するのはアンタだよ？』



いやぁ。正直うちの子達にかなう人間なんて少数じゃないかなぁ？
仮にコイツが異能力者なら別だけどさぁ。




朝みたいに無造作に切られた携帯をしまって、お母さんは呑気に掃除だな。



荒れきった部屋を見渡してため息を一つ。



弁償してもらうか。

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