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第佰参拾玖話 ページ42

タッタッ、長い廊下に足音が響く。
あれから軽い手当てを終えた私たちは、鎹鴉のくろの案内で無惨がいる場所へと向かっていた。

全てが原作通りに進んでいるのだとしたら、もうそろそろ上弦の壱は倒され……無惨は復活する。
だけどそんな保証はないし、他の場所の状況がわからない今……私にできるのは無惨がいる場所へ向かうことのみだ。




「んっ?ちょっと待て、なんかいやがる」
「え、何かって……」
「どりゃぁああ!!!」
「うぎゃぁあああ!!!!」




うわぁ……あれだあれ。
見ましたよ。漫画の端に描いてあったやつ。
曲がり角を曲がった瞬間、伊之助が思いっきり蹴りをかました。それも仲間に。




「ん?人間か?悪かったな!
おぉ!紋逸もいるじゃねぇか!紋逸!」
「お前なぁ……」
「悪かったなって言ってるだろうが許せよ!
炭吾郎なら許してくれるぞ、まぁあいつなら蹴りなんて喰らわねえか!!ガハハッ」




曲がり角を曲がった先にいたのは、善逸とそれを背負った村田さん。
そう、冨岡さんの同期の。炭治郎と那田蜘蛛山で共に戦ったあの村田さんです。




「こら、謝るならもっと丁寧に」
「あ?謝ったんだからいいだろ」
「そういう問題じゃ……全く。大丈夫ですか?村田さん」
「え、色柱さん俺の名前……」
「あー……まぁ、一応?冨岡さんの同期の方ですよね」




にこりと笑って見せれば、「そうです!」と村田さんは何故だか目を輝かせる。

………あっっぶな。
今世じゃ一切の関わりなかったよ。
原作の知識当てにして勝手に呼んじゃったけど、なんとか誤魔化せたのでセーフです。セーフ。




「でも、合流できてよかったです。
無惨の所に向かうなら、人数は多い方が良さそうですから」




一人の力はあまりにもちっぽけで、無惨なんて強敵に太刀打ちできるとは到底思えない。
だからこそ、鬼殺隊は力を合わせなければ。
全ての隊士が知恵を絞り力を尽くして、ようやく活路が見出せるのだ。

まぁ、痣が発現しているからといって片目見えず体も血だらけボロボロの私がどれだけ役に立てるかは謎なところだけど。
だってこんな怪我、前世じゃ即病院行き。
どころか前世の体なら既に死んでると思う。




「私が先頭を行きます。
鬼への警戒は常時怠らないでください」




それだけ告げて、また走り出す。
………本当に、怖くてたまらないけれど。
最後まで戦い抜くと決めたからには、死んでも喰らい付く。その思いに嘘はない。

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セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - ばなな( ?)バナナさん» コメント、ありがとうございます!完結後のことはまだ考えておりませんが、まずは本編を完結させるべく執筆していきますので…更新ペースはゆっくりかと思いますが、ご愛読のほどよろしくお願いします! (8月9日 11時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
ばなな( ?)バナナ(プロフ) - いっぱい寿司...この続編とかでキメ学とか書いて欲しい...(ᵒ̴̶̷᷄ ᵒ̴̶̷᷅) (8月7日 5時) (レス) @page34 id: 0b7a4ff9a1 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - あきらさんさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます!天星ちゃんはなんだかんだで私も好きなキャラです笑 更新ペースはゆっくりかと思いますが、これからもご愛読のほどよろしくお願いします! (7月29日 11時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
あきらさん(プロフ) - 初コメ失礼します!!作者様の書く小説が好きです、このお話もめちゃくちゃ読みやすくて、感情とかがスっと頭に入ってきました!とくに天星ちゃんのオタク?っぷりなところや真剣なところなども好きです!作者様のペースで更新頑張ってください! (7月27日 20時) (レス) @page34 id: af4a079e32 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - にゃーちゃんさん» ありがとうございます!愛ちゃんはもう別人と言っても過言ではないですね笑 更新はゆっくりかと思いますが、これからもご愛読のほどよろしくお願いします! (2023年1月6日 23時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セレーナ・ラフィーネ | 作成日時:2022年7月31日 19時

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