第佰弐拾弐話 ページ25
「なるほど…しかしそうなると私は一体どうなるのか……南無三…」
あまね様とご息女様が退室され、しばらくは沈黙が流れていた。
とても…すぐに受け止められるような事ではない。
実際にその事実を伝えられ、既に知っていた私でさえ動揺を隠せずにいたのだから。
「あまね殿も退室されたので失礼する」
スッと、冨岡さんが立ち上がる。
皆の視線がそちらに集中した。
「おい待てェ、失礼すんじゃねぇ。
それぞれの今後の立ち回りも決めねぇとならねぇだろうが」
「八人で話し合うといい。俺には関係ない」
「関係ないとはどういうことだ。貴様には柱としての自覚が足りぬ。それとも何か?自分だけ早々に鍛錬を始めるつもりなのか。会議にも参加せず」
しかし、そんな伊黒さんの言葉に答えることもなく背を向けると…冨岡さんは出口へと歩き出す。
その表情は、少しも変わらない。
「テメェ待ちやがれェ!!!」
「冨岡さん、理由を説明してください。
流石に言葉が足りませんよ」
「………俺は、お前たちとは違う」
その言葉の真意を、私は知ってる。
知っているけど……出来ることは、何もない。
私が冨岡さんを庇って口を出したところで余計に事態を悪化させるだけ。私が何もしなくたって、なるようになるはずだ。
そうわかっていても、凄く…もどかしい。
「気に喰わねぇぜ…前にも同じこと言ったなァ冨岡。俺たちを見下してんのかァ?」
「けっ、喧嘩は駄目だよっ。冷静に…」
「待ちやがれェ!!!」
「キャーーだめだめっ!!!」
「冨岡さん…っ、」
思わず手を伸ばして、冨岡さんの腕を掴む。
今まで表情を変えずにいたのに、少しばかり目を見開いた冨岡さんと視線が交わった瞬間……悲鳴嶼さんが手を叩く音が大きく響き、私は反射的に手を離しすぐに引っ込めた。
「座れ…話を進める…一つ、提案がある……」
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セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - ばなな( ?)バナナさん» コメント、ありがとうございます!完結後のことはまだ考えておりませんが、まずは本編を完結させるべく執筆していきますので…更新ペースはゆっくりかと思いますが、ご愛読のほどよろしくお願いします! (8月9日 11時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
ばなな( ?)バナナ(プロフ) - いっぱい寿司...この続編とかでキメ学とか書いて欲しい...(ᵒ̴̶̷᷄ ᵒ̴̶̷᷅) (8月7日 5時) (レス) @page34 id: 0b7a4ff9a1 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - あきらさんさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます!天星ちゃんはなんだかんだで私も好きなキャラです笑 更新ペースはゆっくりかと思いますが、これからもご愛読のほどよろしくお願いします! (7月29日 11時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
あきらさん(プロフ) - 初コメ失礼します!!作者様の書く小説が好きです、このお話もめちゃくちゃ読みやすくて、感情とかがスっと頭に入ってきました!とくに天星ちゃんのオタク?っぷりなところや真剣なところなども好きです!作者様のペースで更新頑張ってください! (7月27日 20時) (レス) @page34 id: af4a079e32 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - にゃーちゃんさん» ありがとうございます!愛ちゃんはもう別人と言っても過言ではないですね笑 更新はゆっくりかと思いますが、これからもご愛読のほどよろしくお願いします! (2023年1月6日 23時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セレーナ・ラフィーネ | 作成日時:2022年7月31日 19時