第伍拾参話 ページ5
そして、現在に戻る。
確かに推薦という一方的な形だったかもしれないけど押し付けただなんて……
お館様だって納得してくださったし。
今頃天星さんは列車に乗ってる頃かな。
「何か勘違いしてない?」
「してません!俺は見たんです…星柱様が色柱様に任務を押し付けられたと泣いているのを…」
それ、演技だからたぶん。
天星さんならやりかねないもん。
「だから……」
「オイ」
その場に響くどすの利いた声。
何でここに…と思いながらそちらを見ると、そこには私たちを睨む不死川さんの姿が。
「か、風柱様…!」
「テメェら、何してやがるゥ…」
テメェら、というのはどうやら私に絡んできた天星さんの親衛隊のことらしく、柱の中でも最も怖い不死川さんに目をつけられた2人はもう涙目。
そんなになるんなら私に絡むなよ。
「あのっ、これは…っ…」
「あァ?」
「ヒエッ」
情けない声が聞こえたが、気持ちはわかる。
不死川さんに睨まれたら私もそうなる。だって怖いもん、あの睨みで人殺せるよ。
「何でもありませんよ、少し話をしていただけです」
さすがに可哀想になり、どうどうと不死川さんを宥める。しかし、私も鋭い目つきで睨まれて……危うく涙目になるところだった。
「君たち、もう話はいい?」
「あ……はい、」
「なら私は忙しいの、さっさと消えて」
早くここから去ってほしいという意味も込めて軽く睨むと、親衛隊は不死川さんの時と同様に情けない声を漏らし……
おぼつかない足取りで走り去っていった。
「ふぅ……」
私はようやく一息つく。
全く、天星さんの親衛隊は怖すぎる。
あんなのがいっぱいいるの?やってられない……
「オイ」
「あ、どうもありがとうございました」
こうして逃れられたのも一応不死川さんのおかげなので頭を下げて感謝の意を伝える。
すると不死川さんは親衛隊が去っていった方を一瞥したあと、私の方を向いた。
「あいつら星柱の親衛隊だろォ?何もされてねェか?」
「はい、特に何も」
何だ、心配してくれていたのか。
私は前に不死川さんが天星さんに絡まれていた時…関わりたくなくて見捨てたのに。
やっぱり良い人だ、顔はめっちゃ怖いけど。
私が笑うと、不死川さんは少し怪奇そうな顔をしたのちに少し笑った。
そのギャップに、私の心臓は一瞬止まりかけた。
395人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - ネこ?ャんさん» ありがとうございます…!そう言っていただけると励みになります!更新はゆっくりかと思いますが、今後ともご愛読のほどよろしくお願いします! (2022年6月22日 18時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
ネこ?ャん(プロフ) - 初コメ失礼しまぁぁあす!単刀直入に言いますと、今まで見た色んな人の作品より大っすきです…!!みんなとの関係が丁度いいというか…愛ちゃんからの攻撃も攻めすぎず攻めなさすぎず、ほんとに大好きです!ゆっくりでも更新頑張ってください!待ってます!!! (2022年6月21日 18時) (レス) id: c14429c9f6 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - シャンさん» ありがとうございます!天星ちゃんとの関係や、他の男達との関係などなど……これからも怒涛の展開…になる予定なので、どうぞご愛読のほどよろしくお願いします! (2021年7月17日 18時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
シャン - コメ失礼します!正直天星ちゃんといい感じになってるところとかそのまま男達にも好かれてるところとか性癖にぶっささりました!頑張ってください!!!めっっっちゃ好きです! (2021年7月16日 21時) (レス) id: 6939ec7c5a (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - suzuharuさん» ありがとうございます!そう言っていただけると励みになります……!更新はゆっくりかと思いますが、ご愛読のほどよろしくお願いします! (2021年7月1日 12時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:セレーナ・ラフィーネ | 作成日時:2021年4月12日 19時