転生先が乙女ゲームみたいなんだが 2【鬼滅の刃】

第陸拾陸話 ページ18

「遊郭に潜入したらまず俺の嫁を探せ、俺も鬼の情報を探るから」
「とんでもねぇ話だ!!」




今までお茶を啜っていた善逸が突如声を上げる。

後で殴られるという結末を知っている私はその辺にしておけばいいのに…と思いながらも端っこに座ってお茶を啜っていた。




「あ゛あ？」
「ふざけないでいただきたい!!
自分の個人的な嫁探しに部下を使うとは!!」
「はぁ？何勘違いしてやがる!!」




……よく考えればわかるのに。

何で任務で意味もなく嫁探しなんてするのかって。
そこまで善逸の中での宇髄さんは変な人なのか……


ん〜……


今まであったことを思い返してみると。

蝶屋敷の女の子たち誘拐未遂、自分は神だ宣言。
………そりゃ、そんな思考にもなるか。




「いいや、言わせてもらおう!!
アンタみたいに奇妙奇天烈な奴はモテないでしょうとも!!だがしかし!!鬼殺隊員である俺達をアンタ嫁が欲しいからって!!」




……泣いてるよ、善逸。
俺だって嫁が欲しいのに、って心の声が聞こえてきそうだよ。可哀想に。




「こらこら善逸くん落ち着いて……」
「馬ァ鹿かテメェ!!俺の嫁が遊郭に潜入して鬼の情報収集に励んでたんだよ!!定期連絡が途絶えたから俺も行くんだっての!!」




その言葉に善逸の顔は歪む。
まるで可哀想なものでも見るかのように。




「そういう妄想をしてらっしゃるんでしょ？」
「クソガキが！これが鴉経由で届いた手紙だ!!」
「ギャーーーーッ!!!」




宇髄さんが善逸に大量の手紙を投げつける。
紙といえど束になれば相当の威力。
かなり痛そうだった。




「随分多いですね、かなり長い期間潜入されてるんですか？」
「三人いるからな、嫁」




……まぁ、当然のことながら。
この言葉に善逸が反応しないわけがなく……




「三人…？嫁…さ、三!?テメッ…テメェ!!
なんで嫁三人もいるんだよ！ざっけんなよ!!

……おごぇっ！！！」




凄い音と共に善逸が殴られる。
……可哀想に。

これには隣の天使(天星さん)も苦笑いだよ。




「何か文句あるか？」




文句？そんなの……
あっても言えるわけないじゃないですか。

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