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第捌話 ページ9

「天星さん」
「!野一色さん」




私が横から声をかけると、天星さんは女の隊士から私に目線を移した。
相っ変わらず可愛い夢主顔してるなぁ。




「天星さん、何してるんですか?」
「この人が任務でミスをしたせいで傷を負って手間が増えたのでお説教をしていたんです」
「…こんなところで?」




すっと睨みつければ天星さんは一瞬たじろぐ。




「確かにこの子のせいで手間が増えたかもしれません。しかし部下のミスをカバーするのだって柱の務め、あまり行き過ぎたお説教は駄目ですよ天星さん」




私が天星さんに出来るだけ優しく、そう優しくオブラートに包んでそう言うと、何故か天星さんは目に涙を溜めてぐすっと泣き出した。




「酷い、酷いです野一色さん…
私、間違ったことしてません…なのに…っ…」




手で必死に涙を拭う…側から見ればいじめられて涙を流す悲劇のヒロイン。だけど、驚くことに彼女は口角を上げていた。

誰も気づかないだろう、目の前にいる私だから気付いた彼女の小さな変化。

……これじゃまるで、ヒロインと悪役じゃないか。


まさか私を悪役に仕立て上げようって?物語には悪役が必要ですって?あぁそうですか、でもね。




「ボソッ))そう簡単に嵌められてたまるか」




ま、我ながらヒロインよりは悪役向きだと思うけどね。




「そうですね、何も間違ったことはしてません。
柱になったばかりでちょっと気合が入っちゃったんですよね。大丈夫、みんなわかってます」
「…へ?」




ぽかーんと目を丸くして口を開けている天星さんの横を通り過ぎて地面に座り込んでいた女隊士に手を貸して立たせる。




「とにかくこの話はこれで終わりです。
私はこれから任務なので失礼します。
天星さん、今度任務でご一緒しましょう」




出来るだけ丁寧な言葉を選んでその場を立ち去る。

後ろから「色柱様ありがとうございます!」と聞こえてきて、何だかちょっぴりスッキリした気分だ。

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セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - ほたるさん» ありがとうございます!これからもご愛読のほどよろしくお願いします! (2021年3月18日 12時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
ほたる - すごく面白いです!更新頑張ってください。 (2021年3月17日 20時) (レス) id: bff8d73ccb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セレーナ・ラフィーネ | 作成日時:2021年2月10日 20時

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