ただのモブでいたいんです…。参【鬼滅の刃】

捌拾漆 ページ5

翌日から炭治郎達は目を覚ましたが、煉獄さんはまだ目覚めていないようだ。


「炭治郎あまり落ち込まないで？」

「……あんなに強い人も手こずっていた相手に
俺も勝てるようになりたい」


ギュッと握り締めた拳を見てよ。

凄い皮分厚いよ。15歳の手じゃねぇ…

もう私の手と見比べてみ？薄っぺらい手をしやがって…

初めて蝶屋敷に来て選別受けることになって、素振りしただけで水ぶくれよ？

どんだけ素振りしてたねん。


「ごめんな…Aを守るって言いながら俺が守ってもらってた
俺はただ最後の力で刀を投げることしか出来なかった」

「それだけで十分凄いけどね」

「あ、善逸どこ行ってたんだ？」


善逸がお饅頭を持って私の隣に座る。

え？え？挟まれたんですが？

挟まれたんですが⁉

これ両手に花っていうやつじゃない⁇

ああ〜死んだね‼明日には私冷たくなってるんじゃない⁉


「俺は禰豆子ちゃんを箱の中に入れるのに手一杯で戦いにすら手助け出来なかったし」

「でも炭治郎にとってはそれはとても有難いことだったと思うよ？」

「‼Aちゃあぁああん‼Aちゃんだけだよぉお‼俺を慰めてくれるのはぁあ！」


うおおぁあ⁉急に抱きつくんじゃねぇええ‼

心臓停止したら善ちゃんのせいだかんなッッ⁉

くっそ純粋な顔しやがって可愛いなぁああもううう‼


「で、伊之助どこ行ったの？あいつの分も饅頭持ってきたのに」

「起きて早々暴れたからしのぶさんに怒られてるよ」

「あいつ馬鹿すぎじゃない？」


こんなに騒いでるのに炭治郎の顔は相変わらず暗いなぁ…

やっぱり煉獄さんのお家に行ってから心境が変わって行くんだろうな……


「あ、炭治郎」

「ん？どうした？」

「今度千寿郎くんに会いに行くんだっ「行く‼」……うん」


人の話は最後まで聞こうよ……可愛いから許すけどさ…これが猗窩座だったら日輪刀で滅多刺しだよ。

絶対全部避けられて終わりだわ。


「それに俺も煉獄さんの家に行ってみたいと思っていたんだ」

「へー」


……いや？別にどうでも良いとか思ってないからね⁉

思ってないからね⁉ちゃぁあんと興味津々ですからね⁉


「じゃあ炭治郎の怪我が治ってからね」

「それじゃ遅すぎる‼」

「何言ってんの？治さないと伊之助みたいにしのぶさんに怒られるでしょうが」


善逸こういうとき本当に正論言うから好きなんだよなぁ。私に抱き付きながらだからプラマイゼロだけど。

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