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万代の巻9 ページ19

「どうよ?頼むだけならタダだ
騙されたと思ってさ!なっ?」

「それはもう願ってもないことで
退治していただけるなら村で出来る限りのお礼も」


おっ!とお目当ての礼金というヤツの話に食いつくどろろ。逞しいというか、何というか…。


「私は名代を務めます
伝吉と申す者で村の長は万代というお方なのですが
なにぶん足を悪くされまして…」

「ふ〜ん」

「とにかく私どものうちをお使いください
大したものもございませんがお食事など…」

「おお〜!!いやホント話が早いね!」

「こちらでございます」


そう言われて素直について行こうとするどろろをAは止まる。
もっと危機感を持ったほうがいいだろ!
変なところが抜けている。


「どうしたんだよ?変な顔して」

「流石に怪しすぎる。あの名代?とかの表情やら言い方から、こなれてる感というか、なんというか…」

「神経質になりすぎだって!」


一応この2人の保護者的立場であるため、説得を試みるが、敢えなく失敗に終わった。
もうこうなったら、私が目を光らせておくしかない。

そうして名代についていくが、どうにも村人の視線が気になる。なんだか値踏みされている様な…そんな気がしてならない。


夜も深まる頃合いになった。
馬のいななきが聞こえる。


「くぅー!極楽極楽
こんなに食べたの久しぶりだ」

「馬小屋が…寝床…?」


おかしすぎるだろ…。野宿するよりは幾分かマシなことに変わりはないが…。


「でもさ、化け物に困ってるわりに
贅沢な暮らししてるよな
見たとこ大した田んぼもなかったし
なんで儲けてんだろうな?」

「方法はいくらでもある。
旅人を殺して金品を盗む。近くに山もあるから埋めてしまえば疑われる事はない。
子を売れば、そんなにだろうが、一月は食っていけるぐらいの金がもらえる。あとは体を売るとか…」

「…何でそんなに具体的に知ってんだ?」


若干引かれたが、後半2つは私がやられた事だ。
今更知ったことではないが。

そう思っていると、チリンと鈴の音が聞こえる。

蝋燭の火が消える。

鈴の音と共に馬小屋の扉が開く。


「はっわあ〜!!でたあ〜!」

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設定タグ:どろろ , 百鬼丸 , 女主人公   
作品ジャンル:泣ける話
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おはぎ(プロフ) - 名無し19389号さん» コメントありがとうございます!この秋にどろろを初めて見まして、どっぷりハマってしまいました!これからいろんな展開を見せていくので、引き続きよろしくお願いします! (2021年11月27日 15時) (レス) id: 04160e4038 (このIDを非表示/違反報告)
名無し19389号(プロフ) - てのさんのどろろの作品大好きです!!😭😭 (2021年11月26日 21時) (レス) @page13 id: 9c652c1e25 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ての | 作者ホームページ:http://tenorishu  
作成日時:2021年11月14日 4時

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