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万代の巻8 ページ18

何だと思い、顔を見てみれば、林の中を見つめている。
そちらをAも見てみれば、謎の頭のでかい何かがこちらを見つめていた。


「ひっ」

「ん?どうした?A」

「い、いや、何でも無い」


何だあいつ…敵意はないのか…百鬼丸があいつに向かっていかない。
無視するのが得策だろう。じゃあ、何故私の手を強く握った?絶対に気付きたくなかったんだが?

そうして謎の生き物を見てから、数分程しただろうか。
質素な集落が見つかる。


「へぇ〜なんだか金持ちそうな村だなあ」

「どこが?」

「Aって本当に何にもしらねぇんだな
どうやって生きていたのか本当に分かんねぇな」


なにぶん未来の令和から来たもので、金持ちの感覚がバグっているようだ。
ここでもだいぶ良い暮らしをしているらしい。


「でも、ホント化け物なんか出るのかな?」

「確かに。化け物が出るという割には和やかというか」

「はて、化け物とおっしゃいましたか?」


急に会話に入ってきたのは、この村に住んでいる者だった。
確かに服装を見る限りこちらとは比にならないぐらい良い物を着ているように見える。


「化け物がどうかしましたか?」


顔を見てAは白々しい演技だなと何となく思う。
別に人の裏に敏感な訳ではないが、あまり良い環境で育った訳でもないため、騙されないために、生きようとしていた時の子供ながらの知恵が今も働いたのだろう。


「ハハッどうかしたのはこの村だろ?
知ってるぜ。困ってるって」


どろろはそんな事はどうでも良いというように早速交渉を持ちかける。
相変わらず、商売精神が旺盛だ。
令和だったらさぞ営業の上手い社員になれる事だろう。


「いい話を持ってきてやったんだ
なんとこのお兄さん!
化け物退治にかけちゃ天下一品!ひとつ頼ってみなよ!」

「え?本当にそんなことができますので?」


不審に思っている演技。あまりにも動揺が少ない。そして有り難そうにも見えない。困っているなら、藁にもすがるぐらい喜ぶはずなのに…。


「大出来だよ!
こないだもこ〜んなでけえ化け物を
たった1人で細切れにしちまったのを
この目で見たばっかりだ!」

「ほう」


何やら不安そうな顔。村人たちもそこまで困ってない様な表情に違和感しか覚えないA。
村全体で神隠しでもやっているのか。その口実として化け物がいるという噂を立てたなら、愚策だろう。

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設定タグ:どろろ , 百鬼丸 , 女主人公   
作品ジャンル:泣ける話
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おはぎ(プロフ) - 名無し19389号さん» コメントありがとうございます!この秋にどろろを初めて見まして、どっぷりハマってしまいました!これからいろんな展開を見せていくので、引き続きよろしくお願いします! (2021年11月27日 15時) (レス) id: 04160e4038 (このIDを非表示/違反報告)
名無し19389号(プロフ) - てのさんのどろろの作品大好きです!!😭😭 (2021年11月26日 21時) (レス) @page13 id: 9c652c1e25 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ての | 作者ホームページ:http://tenorishu  
作成日時:2021年11月14日 4時

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