【天才作家スズ】チーズケーキ姫はシュークリム王子の好きな人！？

成宮 涼 ［スズ目線］ ページ17

「俺は、1年D組、成宮涼だよ」

あっと、私は思った。
成宮って男子が、うちのクラスにいるから。
カイの友達で、同じサッカー部なんだけど。
ちなみに言うと、ヒロとも友達。
ヒロとカイは、結構仲良しなんだ。
もしかして、こいつ、成宮君の親戚？

成宮「お前のクラスの成宮の、イトコだ。」
やっぱり！
だったら、もっとはやく言えば良いのにさ。
怪しげな言い方するから、危ない奴かと思ったじゃん。
「お前さ」
そう言いながら成宮涼は、一歩、私との間の距離をつめた。
もともと近くにいたから、そんなふうにすると、もう私たちの間は5センチも空いていなかった。
そこから私をじっと見て、こう言ったの。

成宮「俺の印象、いま、凄く悪くなかっか？」
あっ、あたりまえでしょうがっ！
成宮「困ったな。それ、忘れてくれない？」
きれいな目に、すぐ近くからのぞきこまれて、私は息がつまりそうになった。

成宮「俺さ、お前が鈴木美鈴だなんて、思わなかったんだよ」
へっ！？
それって、どういうこと？
名前がはじめっからわかってたら、もっと別の態度だったってこと？
でも、なんで？
私とあんたって今が初対面じゃん。
成宮「頼むよ」
成宮は両手をあわせて、私を拝んだ！

成宮「頼むっ！」
拝んだのよっ！
お墓の前で、あるいは仏壇の前で、するみたいにっ！！

成宮「一生のお願いだ。今のはなかったことにしてくれ」
私はアゼンっ！
いったい、なんなんだこいつは・・・。
成宮「頼む。友情がかかっているんだ」
私の頭は、ますますゴチャゴチャッ！
私の印象と、あんたの友情と、いったいどーゆー関係があるのっ！？

隣で、ヒロは爆笑してるし、もう何がなんだか分からん！！
「遅いぞ、成宮」
小道の方から声がした。

「ボール取ってくるくらいで、なにモタついてんだよ」
あ、この声はっ！
そう思っていると、ヒロが「うわ…」と言って、立ち木の間から現れた真矢先輩を見ていた。

わーい！
思いがけないとこで会えて、うれしっ！

屈辱だぁぁぁぁ！！！［ヒロ目線］→←あざやかな瞳の少年［スズ目線］

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