あざやかな瞳の少年[スズ目線] ページ16
私が見とれていると、その子は、じれたように自分の後ろを振り返った。
「返してくれないか、俺のボール」
俺のボール?
私は、まじまじと自分の持っているボールを見つめた。
だって、どこからどう見ても、それはカイのボールだったんだもの。
「練習中なんだ。はやく行かないと、怒鳴られるし」
そう言いながら歩みよってきて、私の手からボールをひったくろうとした。
私はもちろん、離さなかった。
力には自信あるもん。
スズ「これ、あんたのボールなの?」
私が聞くと、その子はムッとしたように目を光らせた。
「そうだよ。俺んだからさっさと返せよ。」
ギリッと睨みつけられて、私はゾクッ!
「なぁ、そこのお前もこいつに何か言ってくれよ。」
その子はヒロに向かって言った。
ヒロ「…そのボール、本当にお前のなのか?」
「だからそう言ってるだろ。」
ヒロ「…スズ、返してやったらどうだ?」
なんで!?
ヒロ「俺には、こいつが嘘を言っている様には見えない。でも、そのボールは間違いなく、前、カイが持っていたボールだ。」
うん。そうだよ。カイのだもん。
ヒロ「そのボール、『今は』お前のなんだよな?」
ヒロがそう聞くと、その男の子は言った。
「そうだ。『今は』俺のボールだ。」
え…なんで?
「とにかく、ボールを返してくれ。はやく。俺は練習に戻らなくちゃいけないんだ」
スズ「カイになら渡すわ。だってこれは、カイの大事なボールだもん。それを自分のだなんていうヤツは信用できないし、渡せないっ!」
ヒロ「スズ…」
「オッケ。よく分かった。お前が、ひどい分からず屋だってことがね」
むかっ!
「もういい。そのボールは、お前にやる」
むか、むか、むかぁっ!
やるですって、自分のものでもないに、えっらそーに、やるですってぇ!
しかもカイのボールを、勝手に人にやるって、なによっ!!
「お前、覚えてとくぞ。名前を言え」
私は完全に頭が血がのぼっていたので、ほとんど叫ぶように言った。
「1年後A組、鈴木 美鈴よ」
瞬間、その子は、それまで目の中に、浮かべていた火のようないらだちと怒りを、ふっと消したのだった。
そして真っ直ぐに、じいっと私を見つめた。
きれいなその目は、とても真剣だった。
私は、何がなんだかわからなくて、アタフタしてしまった。
「俺は、1年D組、成宮涼だよ」
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美菜猫♪ - 中学生なのに暇人さん» それは嫌です!!あぁーなんでだろう? (2014年7月27日 21時) (レス) id: 69e8f63f96 (このIDを非表示/違反報告)
テヘペロンヌス - 天才作家スズシリーズ大好きです!中学生なんですね!一緒ですw (2014年6月29日 23時) (レス) id: 4aa1b8f412 (このIDを非表示/違反報告)
中学生なのに暇人(プロフ) - 美菜猫♪さん» ですよねー!!まさかあれで終わりなのでしょうか…((((;゜Д゜))) (2014年3月14日 9時) (レス) id: eafd0b23a4 (このIDを非表示/違反報告)
美菜猫♪ - 最近、天才作家スズの新作出ませんよねー(>_<)なんででしょうか? (2014年3月2日 19時) (レス) id: 69e8f63f96 (このIDを非表示/違反報告)
中学生なのに暇人(プロフ) - 美菜猫♪さん» ですよね~♪よろしくお願いしますっ!! (2014年2月25日 20時) (レス) id: eafd0b23a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中学生なのに暇人 | 作成日時:2013年5月9日 23時