【オリジナル】十二天物語 (ページ5)

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四頁目ページ5

何とか話をつなげようと思い、無難な話題を口に出す。

真「そういえばみんな何の話してたの？」

が、言ってから少し後悔する
どっと場が沸き、周りにいた女子が真を押し倒すようにして近づいてきたからである。

「それがねそれがね！」「も～う、このクラス当たりよ当たり！」「あそこにいる窓辺の男の子！すっごいかっこいいと思わない！？」「かっこいいわよ！この高校入ってホンットよかったぁー！！！」「それいえてるー！！」「よね？よね？」

等々凄まじい勢いで女子が叫び始めたからである
慌てて話題になっている人物を見たとたん、真は何とも言えない感じになった。

真「・・・・・？」

内心首を傾げながら見ていた真の視線に気づいたのか、話題の人物が真の方を向く。
慌てて視線を外すが、真が見ていたと分かったのだろう
くすり、と笑う気配がした。
内心ムカッとするがどちらかといえば最初にさんざん見ていたのはこちらなのであまり強く出られない。

先生「こらー席に着けよー」

と、そこで教師が入ってきたので皆いったん自分の席に座る。
真もムカムカしながら自分の席を探すが、そこにいたって初めてその人物の隣の席だということに気づいた。

真(うーん、さっきまで見ていただけになんかやだなー。しかも、こいつってばなーんか腹立つし。けどそんなこといってる場合じゃないしなー)

そんなことを思いながらも取り敢えず席に座る。

先生「よし、席に着いたな。では改めて入学おめでとう。これから一年このクラスを担当する井上だ。よろしくな。じゃあまず出席とるぞ。相川、安西、伊賀姉、伊賀弟、出雲・・・これ名字か？」

順当に読んでいた教師が一旦中断し、クラスの誰かに呼びかけるように言う。

？「そうですけど」

答えたのはあの話題の人物だった
一斉にクラスの視線が話題の人物に集まる
しかし臆した様子もなく、話題の人物は淡々と答える。

出雲「僕の名前は出雲夜摩。それだけです」

その態度に教師は一瞬何か言いたそうにしていたが、結局何も言わずに続ける。

先生「まぁいい。次、伊藤、遠藤、大西、鹿目、佐藤、杉川、鈴木、・・・・」

名前を呼ばれるたび一人ずつ返事をしていって、その後は比較的スムーズにホームルームは終わった。