【オリジナル】十二天物語 (ページ20)

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十九頁目ページ20

出雲「目を瞑ってくれ。このままじゃまた襲われて何も出来ない。杉川さんの封印を解く。」

その言葉に、俯いて真は聞き返す。

真「封印・・・・？」
出雲「そうだ。僕みたいな特殊な事情がない限り大抵は力を封印して転生する。
そうしないと体が持たない。けど、今はその封印を解いた状態じゃないと意味がない」

最後の一言に呆けらっとしていた真の目にみるみる感情が戻ってくる。

真「それは私にも戦えってこと？人を殺せってこと？あなたみたいに！

そのために私にあるってゆー力が必要だから封印を解くって事？

いやよ！絶対にいや！誰が人殺しなんかするもんですか！」

わめく真に出雲は泣きそうな声で言う。

出雲「違うよ、逆だ。あの襲いかかってくる人たちを戻すために杉川さんの力が必要なんだ」

その声とセリフに顔をあげると、出雲がハッキリと傷ついて泣きそうな顔でいた。

出雲「僕の力だけだと相手を倒すことは出来ても、救うことは出来ない。杉川さんのいうとおり、僕は人殺しだ。誰がなんといおうともね」

おそらく、出雲は特に何も変わってないと思っているのだろう
声ももはやいつもどおりの淡々とした調子に戻っていた

だが、顔だけは今にも泣きそうだった

自分の言葉にすら傷ついているようであった。

それでも

何より彼を傷つけたのは自分の放った言葉なのだろう、と真は理解した。
そして、理解すると同時に後悔した

真「・・・ごめんなさい。私の力で役に立てるなら、封印？を解いて。」

そういうと真はおとなしく目を瞑った。

出雲「・・・わかった。それじゃ、行くよ」
真「うん・・・」
出雲「オンハサラチシュタウンウーン！－覚醒！」

パシッと頭の中で何かがはじける音がした。
ついで、古い映画でも見たように頭の中で色んな映像の断片がめぐる。

真「なに・・・これ？」

思わず、口に出して出雲に目を向けようとすると、辺りは又戦場になっていた。
出雲は既に先程と同じようにバサリバサリと相手を切り倒している

けれど、顔には疲労の色が出ていた。

真「い、出雲君！私、どうすればいいの！？封印を解いてもらったけど、どうすればいいかわからないよ！！」

そこまで叫ぶと、返事が返ってきた。

出雲「大丈夫！封印は解いた！記憶の断片に集中して！そうすればすぐに出来る！」

そんな昔覚えた数式を思い出してこの問題を解いてごらん、みたいな言い方で言われても！！

出来ないものは出来ないのだが