【オリジナル】十二天物語 (ページ13)

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十二頁目ページ13

そこまでつぶやいた時だった。

出雲「酷い言われようだな」

真意外いないはずの屋上で第二者の声がした。

真「・・・っ！！」

あまりに驚いたので反射的に大声が出そうになるが、なんとかこらえる。

バッと振り向くと、正に当の出雲がいた。

真「なっなっ何でここにぃ！」

声がひっくり返ったうえに本音をそのまま声に出してしまうが、言われた当人は気にしていない。

出雲「何でって、探してたからに決まってる」

不思議そうに問い返されるが、ますます意味が分からない。

真「こっここ、立ち入り禁止なのに！」
出雲「自分だって入ってるのに？」

取り敢えず持てる理屈を出すが、一言でバッサリと斬られる。

真(たっ、確かにそのとおりなんだけどぉぉぉ！！)

そもそも前提として、何故に出雲夜摩が自分を捜すのかがわからない。

真(何で！？何でこんなに次から次へと厄介事がぁ！！！)

いっそのこと泣いてしまいたい
頭の中は完全にパニクっている。

出雲「なぁ聞いてるか？」

当の出雲夜摩がなんか言ってるが当然真には聞こえちゃいない。
ひたすら混乱している真に焦れた出雲が口を開こうとしたその時、真にとっては天の助けで昼休み終了のチャイムが鳴る
真はチャイムを聞くと急いで弁当を持ち、今度は出雲から逃げるために脱兎の勢いでその場を離れた。

真(とにかく逃げなきゃ！)

面倒事を回避しようという真の頭の中にはこの一語しかなかった。

因みに、目の前で二度も逃げられた出雲はしばし呆然とした後、授業に遅れないために教室へ向かった。