【オリジナル】十二天物語 (ページ2)

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ピピピピピピピピピピピピピ・・・・
突如、朝の静けさを破るように目覚ましがけたたましくなり始める。真はそれに気づくと無言で目覚ましへと手を伸ばし、目覚ましを止める。
時刻は七時
休みの日であれば、このまま二度寝に突入してしまう真であるが、平日、しかも高校の入学式であれば流石にそれは出来ない。

真「お、き、る、かぁー」

言いながら背伸びをして、新品の制服へと袖を通す。肩に届くぐらいの短い髪を軽く梳かし、一階へと向かう。

真(・・・・・とうとう今日か～)

そう思いながらガチャリとドアを開け、居間に入ろうとする。が。

翔「姉ちゃん！！どいてどいて～ぇ！！！」

後ろから、小五の弟・翔にタックルをかまされる。

真「いった、何するのよ翔、危ないじゃない。」

文句を言ってはみるが予想通り、当の翔は聞いちゃいない。

満「翔、家ん中走るなよ。危ないだろ」

そう言って、翔と自分の二人分の荷物を持った同じく小五の弟・満が後ろから入ってくる
満の言葉は聞こえていたのか(単に真の言葉を無視していたのか)翔がおざなりな返事をする。

翔「んー、分かった。真姉ごめーん」

ちっとも謝られている気がしないが、ここで怒るのもなにやら大人げなくて情けない。

真「ハイハイ。もーいいからさっさと食べちゃいな」

と言いながら、ご飯を茶碗に盛りつけると、とたんにもの凄い早さで翔が自分のぶんだけを持っていく。

真「こら！自分のぶんだけ持っていかない！他の人のぶんも運びなさい！！ってこら！言ったそばから自分だけ食べ始めるなーーーー！！！」
翔「いいじゃんかー、姉ちゃんのケチンボー」

そう言って翔は自分のご飯に振りかけをかけて、ガツガツと勢いよく食べ始める。