182 増えてく ページ34
・
3つになったキーホルダー
エビフライ
木彫りの熊
これは・・・
太陽の塔・・・だっけ？
大阪って言えば、何だっけ？
ピエロみたいな格好したおじさん
あのイメージだったから、
絶対、あのキーホルダーなんだと思ってたのに
もしくは、通天閣？
予想通りにならない所が
かずらしいけど、ね
なんて心がホッコリする
・
今年も、あと1ヶ月
かずの出張も
暫くは無いから、うちに帰ろうと思ってた
・
「なんで？」
「何が？」
「なんで、帰んの？」
「え？だって暫くは出張無いでしょ？」
「うん。」
「だから？」
「でも、仕事は詰まってるよ？」
「、うん、」
「会いに行けないよ？」
「・・・ん」
「いい、の？」
「・・・」
黙ったままの私に
少し困った様に琥珀を細めながら
小さく話し始めた
「オレね？」
「ん、」
「さあやが好きなの。」
「え？な、なに？」///
「ん〜？
ちゃんと、届けるって言ったでしょ？」
「う、うん。」
「あなたは、さ
オレがゲーノージンだからとかって
あんまり特別視はしないけど
オレが、ね？
あなたがしてる
普通の生活があまり分かんないから
って言うか、
オレがいたらないのかもしれないけど
所謂、普通の感情っていうか、さ
そういうのが、いまいち・・・なの、よ。
離れちゃうと、その、まぁ、
・・・だから、
オレの傍に置いときたいの。
・・・だめ？」
そう言って困った様に琥珀を細める
離れちゃうとさ、
そのままになっちゃいそうな自分が怖いんだよね
別に、いなくてもいい
なんて事は思わないし、いないとさみしくも感じるんだけど、
それでも、無理して繋ぎ留めとこう、なんて思わないまま、時間が過ぎてしまいそうで、さ
今までが、そうだったから・・・
・
「かず？」
「ん？」
「体調、悪い？」
彼の額に手を当ててみるけど
熱はなさそうで
顔色も・・・悪くは、ないよ、ね？
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作者名：617 | 作成日時：2015年10月31日 21時
