５０振り目 ページ7
『...!!』
伝えたかった。
きっと僕にしか伝えられないと思った。
「目の前を歩く沖田くんが、いつか振り返ってくれることを僕はずっと待ってた。だけど気付いたら前にも後ろにも沖田くんは居なくて」
独りで待つのは辛くて苦しいこと。
「若に言われて分かったんだ。沖田くんは居ないんじゃない。僕が気付かなかっただけ...僕の隣に...ずっとずっと沖田くんは一緒に居たんだ!」
本当はいつだって側に居ること。
「一期一振は?若のどこにいるの?」
『一期は...僕の...』
膝の上に置かれた若の手が硬く握られていく。
顔も下を向いて見えなくなった。
『居ない。だって一期は...笑って、くれなかった...』
声が震えてる。
『一期は怒ってるんだ...!僕が約束を破りそうだから!』
一期一振との一生の約束。
《私が消えても、ずっと私を見て愛してくれますか?》
それは最後に交わした言葉。
『一期は...!!僕を許してくれない...』
最初で最後の約束だからこそ重くのしかかる。
でも
「(そんな筈ない...!)」
気づいて。
ちゃんと生きてるよ。
今だって俯く君を見て心配そうな顔をしてる。
でも何も言わずに。
一歩踏み出すのを待ってるんだよ。
僕は刀だからはっきり見える。
若が胸元に入れて持っているお守りの光が
形を作って
若の側で若の手を握ってる。
《若様...》
一期一振の姿が。
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真雷(プロフ) - れんさん» 長文で丁寧に感想を書いて下さり本当に嬉しいです!!!そんな風に何かを大切にしようと思って貰えるとは…。この小説を書いてて良かったなと思うことが出来ました(´∀`)ゆっくり亀スピードですが頑張って書くのでよろしくお願いします! (2018年3月31日 12時) (
レス) id: 9e8cdb3667 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - と思いました。とても胸が苦しくなる作品でしたがとても素敵な作品でした。改めて一期一振が大好きになりました。ありがとうございます。 (2018年3月27日 23時) (レス) id: 22fb448192 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - 一期一振ガチ勢の私には悲しすぎる展開でした。1振り目の一期一振の思いと2振り目の一期一振の思いが交差して悲しい連鎖を生み出す。最終的に1振り目の一期一振ではなく2振り目の一期一振と共に歩む主の姿。この小説を通して改めて自分の本丸の1振り1振りを大事にしよう (2018年3月27日 23時) (レス) id: 22fb448192 (このIDを非表示/違反報告)
郷羅 - 嗚呼､、素晴らしい作品に出会った!ありがとうございます！一日中ずっと泣けました! (2018年2月18日 11時) (レス) id: 92b69bfb4a (このIDを非表示/違反報告)
真雷(プロフ) - 彼方さん» 続編出来ました！おまたせしましたああ！ (2017年9月28日 19時) (レス) id: 06a076d6f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真雷 | 作成日時：2017年1月22日 19時
