８２振り目 ページ42
「若!」
大部屋に入った僕達を迎えたのは、歌仙兼定と燭台切光忠。
ふたりは焦ったような、苦い顔で僕に話しかけた。
「昼餉に来なかったから心配したよ...大丈夫?どこか具合でも悪いのかい?」
「もし、食欲が無いならおじやの方がいいかな?」
遠ざけたままの僕ならきっと
『大丈夫』
そう言って終わりだった。
『大丈夫...ううん、大丈夫じゃないけど、平気なんだ』
周りに寄り添う粟田口達がニコッと笑う。
2人はよくわからないという顔をしてたけど。
『今まで心配かけてごめんね...
"光忠、歌仙"』
「え!?」
「っ!?」
驚いたふたりを後に部屋に入った。
「若!!今日はどこに座るの?」
「たまには俺の隣にでも座れよ!」
笑顔で尋ねる加州清光とニッと笑う和泉守兼定。
『そうだなあ...今日は"堀川"と"和泉守"の間にしようかな』
「え...!?」
「若...お前」
もう、避けない。
もう、遠ざけない。
『みんな、今までごめん。
僕はもう大丈夫だよ。
心配かけてごめんね。
守ってくれて..._______ありがとう』
そういった途端皆が泣き始めた。
さっきまで笑顔だった粟田口も泣き始めた。
知ってたけど知らなかった優しさがやっと分かって心が温かくなる。
僕はもう独りじゃない。
寂しくないよ。
一期。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 608人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
真雷(プロフ) - れんさん» 長文で丁寧に感想を書いて下さり本当に嬉しいです!!!そんな風に何かを大切にしようと思って貰えるとは…。この小説を書いてて良かったなと思うことが出来ました(´∀`)ゆっくり亀スピードですが頑張って書くのでよろしくお願いします! (2018年3月31日 12時) (
レス) id: 9e8cdb3667 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - と思いました。とても胸が苦しくなる作品でしたがとても素敵な作品でした。改めて一期一振が大好きになりました。ありがとうございます。 (2018年3月27日 23時) (レス) id: 22fb448192 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - 一期一振ガチ勢の私には悲しすぎる展開でした。1振り目の一期一振の思いと2振り目の一期一振の思いが交差して悲しい連鎖を生み出す。最終的に1振り目の一期一振ではなく2振り目の一期一振と共に歩む主の姿。この小説を通して改めて自分の本丸の1振り1振りを大事にしよう (2018年3月27日 23時) (レス) id: 22fb448192 (このIDを非表示/違反報告)
郷羅 - 嗚呼､、素晴らしい作品に出会った!ありがとうございます！一日中ずっと泣けました! (2018年2月18日 11時) (レス) id: 92b69bfb4a (このIDを非表示/違反報告)
真雷(プロフ) - 彼方さん» 続編出来ました！おまたせしましたああ！ (2017年9月28日 19時) (レス) id: 06a076d6f2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：真雷 | 作成日時：2017年1月22日 19時
