７３振り目(若様の語り４) ページ33
「なんで!?どうして!?」
母様は黒いスーツの人の肩を揺すぶって、何度も何度も問いかけた。
スーツの人は悲しい顔をするだけで。
でも、当時７歳の僕には状況が理解出来なかった。
今でも後悔している。
『ねえ、一期...父様はどこに行っちゃったの?すぐ帰ってくるって約束したの。どうして
"父様だけが居ないの?"』
そう問いかけてしまったこと。
「っっ!!!」
一期の急所を突かれたような顔と、母様の何か気づいてしまった目。
「そうよ...守るって...大丈夫って言ったじゃない...!!なんでアンタが生きてるのよ!!!!!」
母様の匂い。
目の前にいた一期一振が消えた。
そう思ったら、
バキっ!!!!
一期一振が倒れていた。
殴られた?
母様に?
「お前なんか...お前なんか死んでしまえ!!
折れてしまえ!!!返して!!月翔を!!!
月翔を返しなさい!!!!!!!!」
怖い声で叫びながら一期一振を殴りつける母様と、血塗れで何も言わずに殴られ続ける一期一振。
スーツを着た人が母様を止めてた。
『かあ、さま...?いち、ご...?』
僕が二人の名を呼んだ時。
本丸に居た刀剣男士達が集まってきて、
もっと騒がしくなって。
『(父様...死んだ?死ぬって、なに?悲しい?悔しい?父様...とうさま...つきと...)』
頭がぐるぐるしてて気持ち悪かった。
そこで僕の視界が暗くなった。
「若...今は何も考えるな...若はまだこの"驚き"を知らなくていい」
アイツがそう言った。
だけど
音が怖くて
心が悲しくて
僕はこの苦しみから逃げるため
『...』
意識を飛ばした。
この悪夢が終わるまで目覚めないように。
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真雷(プロフ) - れんさん» 長文で丁寧に感想を書いて下さり本当に嬉しいです!!!そんな風に何かを大切にしようと思って貰えるとは…。この小説を書いてて良かったなと思うことが出来ました(´∀`)ゆっくり亀スピードですが頑張って書くのでよろしくお願いします! (2018年3月31日 12時) (
レス) id: 9e8cdb3667 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - と思いました。とても胸が苦しくなる作品でしたがとても素敵な作品でした。改めて一期一振が大好きになりました。ありがとうございます。 (2018年3月27日 23時) (レス) id: 22fb448192 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - 一期一振ガチ勢の私には悲しすぎる展開でした。1振り目の一期一振の思いと2振り目の一期一振の思いが交差して悲しい連鎖を生み出す。最終的に1振り目の一期一振ではなく2振り目の一期一振と共に歩む主の姿。この小説を通して改めて自分の本丸の1振り1振りを大事にしよう (2018年3月27日 23時) (レス) id: 22fb448192 (このIDを非表示/違反報告)
郷羅 - 嗚呼､、素晴らしい作品に出会った!ありがとうございます！一日中ずっと泣けました! (2018年2月18日 11時) (レス) id: 92b69bfb4a (このIDを非表示/違反報告)
真雷(プロフ) - 彼方さん» 続編出来ました！おまたせしましたああ！ (2017年9月28日 19時) (レス) id: 06a076d6f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真雷 | 作成日時：2017年1月22日 19時
