５６振り目 ページ14
母様は優しい方だった。
「A...こっちにおいで」
『はい!かあさま』
僕を優しく呼んでは抱きしめて、頭を撫でてくれた。
仕事で忙しい母様がたまにしてくれるこの行為は僕にとって心の支えだった気がする。
もちろん一期の腕の中も、掌も、自分を呼ぶ声も好きだけど...
やっぱり親というものは何か違ったのだ。
温かくて、いい匂いがしてた。
________のに
「いいえ!!!三日月宗近じゃないわ!!あれは月翔よ!!!月翔が帰ってきたの!!!!月翔、月翔!!早く会いたい...!会いたい!会いたい!!!」
『母様...』
背後からから回した手が母様の腕を掴む。
今はもう...冷たい手。
父様が亡くなってから、母様は別人のように狂い出した。
でも、刀達を折るなんて事はしなかった。
"三日月宗近"を知るまでは。
「月翔...何が欲しいの?何があれば貴方は私のところに帰ってくるの?」
母様が刀達を折るようになったのは
「そう、そうよね!もっといい資材がいいのね!!!すぐに用意するわ!!今すぐ...」
凄まじい資材不足から生まれた
「今すぐ"一期一振"を折るからね...」
『え...?』
「A、一期一振を呼んできなさい」
三日月宗近を出すための道だったのです。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 608人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
真雷(プロフ) - れんさん» 長文で丁寧に感想を書いて下さり本当に嬉しいです!!!そんな風に何かを大切にしようと思って貰えるとは…。この小説を書いてて良かったなと思うことが出来ました(´∀`)ゆっくり亀スピードですが頑張って書くのでよろしくお願いします! (2018年3月31日 12時) (
レス) id: 9e8cdb3667 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - と思いました。とても胸が苦しくなる作品でしたがとても素敵な作品でした。改めて一期一振が大好きになりました。ありがとうございます。 (2018年3月27日 23時) (レス) id: 22fb448192 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - 一期一振ガチ勢の私には悲しすぎる展開でした。1振り目の一期一振の思いと2振り目の一期一振の思いが交差して悲しい連鎖を生み出す。最終的に1振り目の一期一振ではなく2振り目の一期一振と共に歩む主の姿。この小説を通して改めて自分の本丸の1振り1振りを大事にしよう (2018年3月27日 23時) (レス) id: 22fb448192 (このIDを非表示/違反報告)
郷羅 - 嗚呼､、素晴らしい作品に出会った!ありがとうございます！一日中ずっと泣けました! (2018年2月18日 11時) (レス) id: 92b69bfb4a (このIDを非表示/違反報告)
真雷(プロフ) - 彼方さん» 続編出来ました！おまたせしましたああ！ (2017年9月28日 19時) (レス) id: 06a076d6f2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：真雷 | 作成日時：2017年1月22日 19時
