【リヴァイ】残酷で美しい世界に【進撃の巨人】 (ページ42)

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＃38 ページ42

「おい、あそこにいる。信煙弾を打て」

「わかりました」

呑気に歩いているところを見ると通常種の巨人だろう。
ジゼルに赤い信煙弾を打たせ、緑の信号弾が上がるの待つ。

緑の信号弾が進行方向を右に変えることを知らせ、それに従い進路を変えて馬を走らせて、どれくらいたっただろうか、黒の信煙弾が右側から上がったと思ったら、すぐに俺たちのところに姿を現した。

建物の陰に隠れていて索敵を取りこばしたんだろう。
ジゼルに信号弾を打つように視線を投げようとすると、すでに黒の煙弾を打った後だった。

「俺が行く、お前はこのまま索敵を続けろ」

「お気をつけて」

「気を付けるまでもねぇよ」

援護に行くと、奇行種が3体陣形を踏み荒らそうとしていた。
うち1体はもうすぐ倒されるところだったため、残りの2体を流れ作業のように片づける。
幸い、何本か木があったおかげで、簡単に処理することができたのだ。

「……早かったですね」

「当たり前だ。もうすぐ、目的地だ。索敵取りこぼして巨人を引き連れないようにしろよ」

「それこそ当たり前です」

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目的地に巨人を引き連れることなく到着した後は、荷馬車班が、建物内に補給物資を運び込むまでしばしの休憩になった。
その間、索敵班は交代で周囲を警戒しなければならないため、完全に休憩できるわけではない。
私とリヴァイ兵長も例にもれずこれから周囲警戒の任を行わなければならないのだが……

「兵長、周囲警戒は必ず2人以上で行うことがルールです」

「ダメだ。お前はここで休め。俺1人で十分だ」

私達の班は、配置の変更によってリヴァイ兵長と私の2人しかいないため、私の体調が優れないからと、周囲警戒の仕事をしないわけにはいかないのだ。
だが、さっきから兵長は「病人は休め。帰りを考えてそれが最善だ」と言い張るのだ。

「この班が3人以上の班なら従います、しかし」
「なら、その辺から適当な代役を見繕えばいい話だ」

「無茶です、当然ですが、索敵班は今やっと休憩に入った者ばかりです。
私なら問題ありません、もし異常をきたした場合はすぐに申し出ます」

本来なら「使い物にならなくなれば見捨ててくれ」というところだが、それを言うとしこたま殴られそうなのでやめておく。
リヴァイ兵長の方もこれ以上は時間がもったいないと判断したのか私を一睨みすると馬に跨った。おそらく、あの睨みの意味は「絶対だぞ」といったところか…。