＃25 ページ29
「それなら引きう」
「却下だ」
「なぜですか、なぜ、リヴァイ殿に口出しをされないといけないんです!」
「黙れガキ」
「まぁまぁ、2人とも落ち着け」
「落ち着くのはこのガキだけだ」
「そうだな……ジゼル、一旦座りなさい」
興奮していつの間にか立ち上がってリヴァイに反抗していた私をエルヴィンが座らせた。
＿＿＿＿＿＿コイツは私の何が気に入らないんだ!
落ち着いたように表層を取り繕うが、内心は未だ煮えたぎるように憤慨している。
「とりあえず、リヴァイ。
ジゼルは、こうなったら何が何でも兵士長はやらないぞ。お前はコイツをどうしたい?」
「俺が言いたいのは、コイツをお前のものとに引き続きつけさせたんじゃ、いつまでもガキのまんまだということだ。
コイツには、成長に伴って身につけなきゃならない責任感が足りない。
壁外調査の活躍、普段の仕事ぶりから、状況判断能力、処理能力、戦闘能力、柔軟性…それらすべてをコイツは兼ね備えているのに、なぜだ。
そんな奴が責任ある役職に就くのは至極当然のことだ」
自慢をするわけでも自惚れるわけでもないが、居場所を作るために必死だった私がそれらすべてをできるよう尽力するのは必然だ。
持って生まれたカリスマ性をもつリヴァイやエルヴィンとは違う。
「ほう。たしかに、リヴァイが言うことは最もだ。
どうする、ジゼル。俺以外にもお前の能力を認める人間がここにいる。
お前が何と言おうと、兵士長にすることもできるが…
………もしかしてまだ�爐△了�″の事を引きずっているのか?」
その言葉に私は改めて血の気が引いた。
今の私の顔はきっと誰が見ても蒼白だと答えるに違いないだろう。
エルヴィンに肩をたたかれ、ハッとして顔を上げると何とも言えない顔をしたエルヴィンの顔があった。
「……やっぱりそうか。
あれは仕方のないことだろう。俺が尚早過ぎたんだ。お前のせいじゃない」
「……」
私が黙っていると、リヴァイが口を開いた。
「過去に何があったか知らねぇが、それならなおさら過去と決別するチャンスだろうが」
「………」
「あれには俺に非がある。それが大きく足を引っ張っているのだとしたら俺はこれ以上強く言えない」
「エルヴィン…テメェもかよ……
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿チッ、わかった」
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作者名：clear | 作成日時：2017年5月5日 21時
