【リヴァイ】残酷で美しい世界に【進撃の巨人】 (ページ27)

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＃23　～845年編～ページ27

＿＿＿＿＿＿＿＿＿845年＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

突如現れた超大型巨人によって、シガンシナ区は陥落した。
続いて、マリアの門が鎧の巨人によって破られ、人類は、生存領域をウォール・ローゼまで後退させる。

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「エルヴィン。……団長就任おめでとう」

「あぁ、ありがとうジゼル」

場所は、エルヴィンの新しい部屋。団長室だ。

就任した時期的に言えば、呑気におめでとうとも言っていられないのだが、こういうのは言えるうちに言っておいたほうがいい。

その流れで、エルヴィンの仕事を手伝っていると、久しぶりに見る顔が現れた。
リヴァイだ。壁外から戻ってきたときからリヴァイとは別行動になったため、今の今まで、本部でもすれ違うことがなく、すっかり忘れていた。

「来たか、リヴァイ」

「いきなり呼びつけやがって、一体何の用だ」

そうなのだ。
呑気にエルヴィンの手伝いをしていた私だが、「何の用事で私を?」と聞いても、もう1人が来るまで待っていてくれと言われ、何の説明もされていなかった。

「まぁ、そう急ぐな。
ジゼルにも話すことがあるからな、そこに掛けてくれるか」

「あァ」

「では、私は茶でも入れよう」

来た人物がリヴァイだったのは驚きだが、こういう展開になることを多少読んではいたため、エルヴィンの手伝いがてら準備だけはしてあったのだ。

「頼むよ、すまないな」

「構わない。私の仕事だ」

実は、リヴァイに街に連れ出されてから、紅茶の淹れ方に気を付けている。
私の今までの淹れ方では、香りが飛んでいて、美味しいとは程遠かったからだ。
まぁ、飲めればいいと思っていたのだから仕方ないことではあるが、美味しく紅茶を入れる特訓をしていたのは誰にも知られたくない事実だ。

3人分のティーカップに紅茶を注ぎ、2人が腰掛けている目の前のローテーブルに紅茶を置いた。
エルヴィンからの話ということなので、リヴァイの隣に腰を下ろし、エルヴィンと向かい合うように座る。

「ジゼル。紅茶の淹れ方を変えたのか。うまくなったじゃないか」

余計なことを言うな、特にこの男のまえでは禁物だ、というように少しエルヴィンを睨み「そんなことより本題に移れ」と話のルートを戻す。エルヴィンはゆっくり私たち2人を見比べてから口を開いた。