【リヴァイ】残酷で美しい世界に【進撃の巨人】 (ページ20)

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＃16 ページ20

突然、ベッドから垂れた髪が引っ張られ、引きずり降ろされると、壁へと投げ飛ばされた。

「ウグッ……な、なにを……ウッ!!」

壁に背中を強打した後は、髪を鷲掴みにされ鳩尾をつま先で蹴られた。
ヒュっと瞬間、呼吸が止まり、視界が暗く遠のく。
ズルリと壁に寄りかかる私の顔に、今度は膝蹴りが入り、ベッドに強く頭を打ち付けた。
さっきまで暗かった視界が次の瞬間に明滅に変わり、私は、その衝撃で、思考することもままならなかった。

「おい、寝てんじゃねぇぞ、クソガキ」

私がけが人だからと言って手加減するような男でないことくらいはわかっているが、さすがに今この状況で繰り出される攻撃は辛い。
しかし、随分と小柄だとは思っていたが、それを忘れさせるほどに重い蹴りと拳を目の前の男は持っていた。

胸倉をつかまれお互いの息がかかるほど顔が近づく。
壁に体を押し付けられ、再度、腹に二発の蹴りを食らい、体がずり下がる瞬間拳で突き上げられる。

「ッ……」

かすれた呻きばかりで、もう何も言葉を発することなどできなかった。
本当にその体のどこからそんなに重い一撃を繰り出せるのか不思議で仕方ない。

「俺は、前回の壁外調査で仲間をなくした。
地下街にいたころからの付き合いだった奴らだ」

壁に寄りかかり座った状態になったとき、突然、リヴァイが話し始めた。

「そいつらは、ファーランとイザベルといってな。
俺たち3人は地下街では名の知れた強盗団だった。
それである時、調査兵団に捕まったんだ。エルヴィンたちにな」

それなら知っている。
地下街にベテランを凌ぐほどの腕を持った起動装置の使い手がいる。今度そいつらを捕まえて取引をする。とエルヴィンがいつだったか言っていたのだ。

そうか。今まで興味もなくて考えもしなかったが、あの時エルヴィンが言っていたのはコイツの事だったのか。

リヴァイはそのあともポツリポツリと話をつづけた。
最初は、エルヴィンを殺すために調査兵団に入ったこと、ある男から頼まれていた資料をエルヴィンから奪おうとしていたこと、それらが成功した暁には、権利書も奪い取り地上に住もうとしていたこと…。

……そして、

「あいつらはいい仲間だった。
だが、俺のおごった判断でアイツらを死なせてしまった」

＿＿＿＿＿それは、どうだろうか。

そう思った瞬間に私の思いは音にして漏れていた。