検索窓
今日:16 hit、昨日:1 hit、合計:188,451 hit

15: 気の毒 ページ15

A「怖い」



智「何がやねん」



A「…男子の練習についていけとる

自分の体力が恐ろしくてしゃーないねん…」



智「確かにな、今日の練習試合も

相手、女子だと思ってへんかったらしいで」


A「それもそれで悲しいわ…」


智「それよりずいぶんととろーんとしとるな」


A「…もう眠い」


智「電気ついたままで寝れるか?」


A「うん…」


智「あー…コラコラ、布団ちゃんとかけて寝や…」


智「ホンマ、ようやるわ…」





A「ええか、智…

自分のリードに疑いもっとったら

腕が鈍るんのは分かっとるな。



…智が自分のこと信用してるのは分かっとる

からこそ、疑ったときは

首横にちゃんと振りや」




智「おう」




試合ん時は、目が据わっとって

ただメラメラと静かな闘気が出とった。


女子からしたら大柄かもしれんけど

男子の俺らからしたら細い体で

捕手なんて危ないポジションやのに



絶対に倒れんその体幹やフィジカルに

恐ろしさすら感じる。



智「お疲れさん、ほれポカリ」



A「ありがとぉ!!

いやー…練習試合やけど

自分にとっては数少ない…試合やから

最高に嬉しかったー!!」



智「…ふふ」



女子のAは…

男子の試合には出られへん。

のに、何そんなひたむきに練習するんと

何回も思った。



A「いやー…やっぱり男子に

混ぜさせてもらっとるから

自分が凄い成長してるんが分かる

…ありがたい話や」



そう迷いもない目で

サラっと言うもんやから

コイツは…どこまでいっても



野球馬鹿なんやなあ。




A「…んん…ふふ…んに…」



智「あー…ほれ、頭落ちとる…」


智「よいしょっと…」



枕に頭を戻してやると

すぐ寝返りをうって枕から落ちる。



A「もー…うるさい…さと…し」



智「自分アホか」



…ホンマに綺麗な顔立ちやな。

兄ちゃんにソックリ。



本当に初見で会ったときは

素直に「かっこええ」

そう思ったもんな。




「…めっちゃ綺麗な子やな」

「智の彼女なん?」



だから…

治にソレ言われたときは

ビビった。




智「…そ、そんなんと…!!」



A「何寝ぼけとんのや」


A「もう5時やで?起き」



智「…えぁ…お?おん…」


智「ちょ!!着替えんなや」



A「え?インナー着とるし」



智「いや、お前…彼氏できたら

そいつ、気の毒や」



A「んー彼氏か…信介がええな」




…ホンマに気の毒や。

16: 寂しいねん→←14: ヤバい



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (94 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
348人がお気に入り
設定タグ:宮治 , 宮侑 , ハイキュー!!
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:げんまいちゃ。 | 作成日時:2020年12月26日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。