それが君の取り柄だから (ページ14)

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可愛いヤツページ14

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朝の授業が終わり、昼食の後の昼休み。

なっちゃんと縁側でくつろいでいた。

夏「あーあ、やっぱりこっぴどく怒られちゃったわ」

さっきまで正座をさせられていたのか、伸びをしながら疲れた様に言うなっちゃん。

「ねぇ、なっちゃん」

夏「んー？」

「さっき、なんでニヤニヤしてたの？」

夏「ニヤニヤ…？

…あぁ、ふふっ。」

私の方をチラチラ見ながら笑っている。

「私なんか付いてる？」

私が顔を触りながらそう聞くと、いやいや？と笑う。

いつもなら思った事をすぐ言ってしまうなっちゃんなのに、今日は何か変だ。

なかなか答えてくれないので、私は質問を変えてみた。

「じゃあ、何で今日遅れて来たの？朝はいつもみたいに準備出来てたよね」

夏「…さぁね？それよりA。

…アンタ今日、変わったこと無かった？」

変わったこと…？

「………あ、」

＿＿＿＿＿＿朝の。

夏「あははっ！図星ね！」

「…っ何もないってば…！」

夏「いーや、嘘。アンタ朝、不破に会ったでしょ」

鉢屋さんみたいな笑みを浮かべて覗いてくる。

「な、んで…知ってるの」

私が少し動揺を見せれば、再び笑い出した。

「何かおかしい？」

夏「あははっ、ごめんごめん…！だってあんまりにも分かりやすいもんだから」

「？それでなんで知ってるの」

夏「不破から聞いたのよ。あの後、Aが走っていった後に私が食堂に行ったの。

そしたら、不破が呆然と立ってて＂話せなかった＂って言ってたもんだから…これは何かあったなぁと思って。」

話を聞いてあげたの！と威張る様子のなっちゃん。

「え、それでなんて言ってたの…？」

夏「不破はアンタと話したいみたいよ？話しかけようとしたら逃げられちゃったって悲しがってたわ。

まぁ私はそんな不破をからかってて授業に遅れちゃっただけよ」

苦笑しながらなかなかな性格してるな、と私は思う。

それにしても

＂話したかった＂かぁ。

なんでだろ、初めてだから…？

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今度会ったら、頑張って話しかけてみようかな。

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夏「ほんと、どっちも可愛いヤツだわ。」

なっちゃんがそう呟いたのは、私には聞こえなかった。