それが君の取り柄だから (ページ12)

今日:8 hit、昨日:5 hit、合計:9,913 hit

不破さんページ12

・

？「おはようございます、おばちゃん」

その初めて聞く声がするまで、全く気が付かなかった。

私は咄嗟の事で驚き、口を開くのをやめる。

だって、その人が居るなんて思いもしなかったから。

食「あらおはよう。今日は早いわねぇ、

・

＿＿＿＿＿＿不破雷蔵くん。」

「…」

そう、不破さんだ。

初めてこんなに間近で見る。

やっぱり鉢屋さんではなかった、なんでそう思ったのかは分からないけど。

不破「僕だって、よく分かりましたね…！」

食「鉢屋くんはこんなに早く来ないもの。不破くんだったら納得だけど」

不破さんはおばちゃんに微笑みかけた後、私の方にゆっくりと顔を動かした。

「ｯあっ…あの、えと、あっおばちゃんご馳走様でした！！」

食「へ？あっ、Aちゃん行ってらっしゃい！」

不破「＿＿＿あっ、ちょ…」

私は不破さんと目を合わせる寸前にお盆を返し、全速力で不破さんの横を通って教室に逃げた。

＿＿＿
＊くのいち教室

「はぁ…はぁ、ビックリした…」

肩で息をしながら教室の自分の位置に座る。

不破さん、何か言いかけてた…？

いや、聞き間違いだよな？話した事ないし…

…でも流石に態度悪かったかな、話した事ないからこそ挨拶とか自己紹介とかした方が…

いや、無理無理…！！

・

…でも何で逃げちゃったんだろ。

そんなハテナがモヤモヤと頭を巡ったが、山本シナ先生が教室に入って来たので考える事を止めた。