それが君の取り柄だから (ページ11)

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いつもと違う朝ページ11

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初めて同級生をしっかりと目にした日から、数日後。

私は食堂のおばちゃんに呼ばれ、食堂に向かっていた。

実は、入学してから週に二回程おばちゃんの手伝いに行っている。

母から教わり、料理は得意な方なので、手伝いをするとおばちゃん曰く捗るんだそう。

仕込みや材料の買い出しなどを手伝うので、いつも生徒が食べに来る前に先に食べ、そそくさと教室へ戻る。

くのいちの子と話すことはあっても、決して忍たまとは話さない。

だって人見知りだから。

そうこうしてるうちに、食堂に着いた。

厨房の暖簾(のれん)を捲ると、いつものようにおばちゃんがまな板に向かっていた。

「おはようございます、おばちゃん。」

食「あらおはよう。いつもありがとね、助かるわ」

挨拶をした後は、早速調理を始める。

「今日は焼き鮭と味噌汁ですか？美味しそう！」

食「そうなのよ～、鮭が安かったの。それも凄く質のいい鮭らしくてね？」

おばちゃんと色々話しながら作業するこの時間が、凄くかけがえのない大好きな時間だ。

楽しい時間は手際が良いのもあって、あっという間に過ぎる。

「じゃあおばちゃん、定食一つお願いします」

食「…Aちゃんはお友達と食べないの？たまには一緒に食べてもいいのよ…？」

少し眉を下げて聞いてくるおばちゃん。

きっと気を使ってくれてるんだろう。

「いいえ。私、人見知りだから…それに、おばちゃんと話しながら食べるのが好きなの。」

食「Aちゃん…嬉しいこと言ってくれるわねぇ…。ふふっ、じゃあ定食一つ準備するわね！」

「はい！お願いします！」

それからも、食べながらおばちゃんと話し続けた。

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話に夢中になり過ぎていつもより食べ終わるのが遅かったらしく、いつもなら誰かが来る前に教室に戻っていたのに

＿＿＿＿＿＿食堂の入口には、既に誰かが立っていた。